鈍い輝きのゴールドフレーム、記憶が確かなら、メーカーはブリヂストン、パーツ類はハンドルやリムを含めてほとんどがスチール製でした。
戦前から変速機付き自転車は、一部で輸入されていたようですが、昭和30年代はスポーツ車が普及し始めたばかりで、外装3段の変速機は十分魅力的でした。現在のそれとは違い、ワイヤーに引っ張られてガイドプーリーが動くスライドシャフト式というメカでした。
その後、ロッド式フロント変速機を知り、小遣いをはたいて、ダブルのチェーンホイール、B.B.シャフトともども購入し、取り付けました。
前2×後3の6段変速に変身した貰い物の自転車は、都内の名所、そして郊外の観光スポットへと休日の行動範囲を広げてくれました。
話はそれますが、一時期「ドロップハンドルは危ない。不良が乗るもの」と言われました。
ドロップハンドル自体は、1920年代にヨーロッパでほぼ現在の形状で使われていました。ポジションも多様、機能的で安全性も問題ありません。
当時、コアなファンを持つ〈競輪〉からイメージされたのではないでしょうか。競馬を始めとする公営ギャンブルは、現在ほど健全な娯楽として認知されていませんでしたから、正しい認識をもたない人たちもいたのでしょう。
その競輪ですが、収益金の一部が自転車業界の発展や社会貢献に役立っていることも忘れてはいけないでしょう。