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北米大陸9700km[5]:CHIPs現れる

CHIPs 現れる

サンフランシスコまで150㎞、市街地に入り道に迷ってしまいました。目の前には分離帯のあるハイウェイが走っています。入口に〈自転車禁止〉とは書かれていません。「行けるんじゃないか」と、ハイウェイの路側帯を走り始めました。追い抜いて行く何台もの車から歓声があがっています。

20分ほど走ったでしょうか。うしろからサイレンの音とともにパトカーが。「あっ、やばい。やっちゃったかな」。私を制止するように停車すると、サングラスをした警官が降りてきました。手にはライフル銃が。CHIPs(California Highway Patrol) です。

chips

「自転車はダメだ。ハイウェイを降りなさい。んっ? お前、外国人か」

フロントバッグに縫い付けた〈日の丸〉を指差しながら、私は、
「ええ、日本人旅行者です。シスコに行きたいんだけど道に迷って。このハイウェイは 走れるかなと思って」
「O.K.わかった。このハイウェイはダメだ。とにかく降りるんだ」

「じゃあ、次の出口で降ります」
「ノー。戻って。さっきの出口で降りろ」

パトロール中か、それとも通報でもあったのか、そんなことを考えながら言われたとおり1つ手前の出口まで戻りました。相変わらず車からは歓声が、いや「危ないぞ」の罵声が聞こえています。出口には先ほどの警官が先回りをして確認のために待っていました。ついでにシスコまでの道を教えてもらいました。

私は、出発前にフロントバッグの前面に葉書より一回り小さい〈日の丸〉を縫い付けました。私を日本人、たとえ〈日の丸〉を知らなくても異国人だと分かってもらうため、そして日本人として(?)つまらぬ行動をしないように自制のつもりでもあります。旅が進むにつれ、他人の好意に触れるたびごとにその思いは強くなっていきました。

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