アメリカとカナダの国境には、昼前に着きました。日本の高速道路の料金所のようなレーンが4つ並んでいます。入国する車が少ないのでしょうか、開いているレーンは2つだけです。私は右側に並びました。
(下の写真:最近の検問所)
初めての陸続きの国境超えに少し緊張ぎみですが、同時に興味もあります。ボックスの中の女性係官とドライバーのやり取りは1分足らず、以外にあっさり終了すると、車は走り抜けて行きます。
係官の声が聞こえてきました。「ガン、生野菜、アルコール、タバコを持っているか?」
私の順番になりました。
「タバコを1箱、それ以外は持っていません」
そう答えると、隣接する建物で入国審査を受けるように係官に言われました。どうやら、カナダ人とアメリカ人以外は入国審査を行うようです。
自転車旅行とすぐにわかるように、あえて建物の中から見える場所に自転車を移動し、パスポートだけ持って建物に入って行きました。
所持金、目的地、飛行機の切符の有無などの質問に答えると、3ヵ月の入国を許可されました。
海外でのビザの取得
現在とは異なり、1982年当時のアメリカは観光にもビザが必要でした。アメリカのビザは日本で取得しましたが、その他、ヨーロッパやアフリカの国でビザが必要な場合は、隣国の大使館や領事館で手続きを行いました。
有料・無料、有効期限の有無など、条件はさまざまですが、隣国の場合は人の往来が多い分、手続きはスムーズです。早い場合はその場で、午前に申請して午後など、数時間後に発給されることがほとんどです。
当時のアメリカの観光ビザは有効期限が3ヵ月です。現地の移民局で申請が認められれば、滞在の延長も可能ですが、私には煩わしく感じられました。
行ってみたいカナディアンロッキーとナイヤガラ瀑布をコースに入れて、アメリカとカナダの国境を行き来することで、3ヵ月の問題は解決できると考えていました。