リチャードとジェーニーのフロイランド夫妻。旦那のリチャードは日本の二輪メーカー、カワサキに勤めていると言います。彼の話では、日本の二輪四輪メーカーでアメリカに工場を建てたのはカワサキが初めてだそうです。
この年の翌1983年、日本の二輪メーカーにおされて業績不振のハーレーダビットソンがアメリカ政府に働きかけ、日本製のオートバイに45%の関税がかかるようになりました。
ホンダやヤマハの後塵を拝していたカワサキですが、これを機にアメリカ国内に工場を持つ強みを生かして業績を伸ばしていきました。
その後、レジャービークルのバギーやジェットスキーの製造をはじめ、今では親会社の川崎重工が進出してアメリカの鉄道車両を製造し、ボーイング社に旅客機のパーツを提供しています。
車内でいろいろ会話すること30分。雨も上がり晴れ間も見えてきました。
「どうやら雨もやみましたので、そろそろ行きます。ありがとうございました」
お礼をいうと、ご主人のリチャードが
「H君、食事まだなんだろう? ウチに寄って食事していけば。私たちもこれからなんだ。なぁ、ジェーニー」
「そうよ。ウチはすぐ近くなの。シャワーも浴びてサッパリすればいいわ」
車の後ろについて5分ほど走ると、ご夫妻の家に着きました。シャワーを終えると、テーブルにはちょっと早い夕食とともにグラスワインが用意されていました。せっかくですから一杯だけいただくことに。リチャードが乾杯の音頭を取ってくれました。
「旅の無事を祈って、カンパーイ」
私も続いて、
「ラッキーな出合いに感謝して、カンパーイ」
「モォー、モォーッ」突然、牛の鳴き声が聴こえてきました。
「すぐそばに牛舎があるの。窓を開けておくと、風向きによって臭うのよ」
困った顔をしながらジェーニーが言いました。
「それって、カントリーフレグランスですね」
「カントリーフレグランスか。H君、うまいこと言うね」
2人は大笑いでした。
食後、居間のテレビではオハイオ州で開催されている米ツアー、ゴルフワールドシリーズが放送中でした。ちょうど青木功プロが優勝者クレッグ・スタドラーと2打差の3位でフィニッシュしたようすを伝えていました。
暖炉の上にはライフル銃が飾られています。リチャードはハンティングが趣味だと言います。コレクションのなかには日本の三八式歩兵銃もありました。
日本人の多くがそうであるように、私も銃を持ったことがありません。お願いしてライフル銃を手に取り構えてみると、想像以上のズッシリとした重さでした。
Thirty years ago, you were in good shape, weren’t you?
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Surely, in that I’ve been having good exercises along the highways day after day that time.
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