ネブラスカ州、アイオワ州、イリノイ州と、町の規模がだいぶ変わってきました。人口も数千から数万そして数十万と増えてきました。そんな中、ネブラスカ州の東部リンカーンの街あたりから黒人の姿が目につくようになりました。
イリノイ州ではその割合がかなり上がってきました。1980年代前半、シカゴ周辺の失業率は25%。そのせいでしょうか、暇(ひま)そうに昼間からグループで戯れている黒人青年たちをよく見かけるようになりました。
“Hey! Man!”
走行中の私を呼び止めようとして、時どき大声で声がかかりました。相手は数人のグループですので威圧感すら感じましたが、彼らと話しをしてみると、どうやらみな気のいい連中のようです。いかにも時間をもて余している、そんな感じが伝わってきました。
この日は、午後から雨が降りだしました。シカゴ近郊の Joliet の街で、初めて Y.M.C.A. に泊まってみました。設備がまるでホテルのようです。料金は 13.5$ですが、チェックアウト時に鍵を返すと2$バックされるので、実質 11.5$になります。モーテルより安く清潔感のある Y.M.C.A. のふんい気が気に入りました。
ここジョリエットから北東へ40マイル行けば、もうシカゴです。
シカゴの高層ビル群
ニューヨーク、ロスアンゼルスに次ぐアメリカ第3の大都市シカゴ。ミシガン湖畔から望む高層ビル群はそれを改めて感じさせました。ブルースやジャズが好きな人なら、まず市内のナイトクラブやライブハウス廻りということになるでしょう。
音楽にあまり興味がない私は、建物廻りにしました。1871年のシカゴ大火の後の建築ラッシュにより、現在の超高層ビル建築の先駆けとなったシカゴの街に興味がありました。
宿泊は前日のジョリエットに続き、ダウンタウンにある Y.M.C.A. に2泊することに。目と鼻の先にはシカゴ大火でも焼け残こり、現在は観光案内所やギャラリーとして使われているウォータータワーがあります。
翌日、まずは当時世界一高い(442m)シアーズタワーに昇り、シカゴ市内を上から眺めてみました。そのころ、あまり景気のいい話しの聞かれなかった五大湖周辺やアメリカ中西部。
しかしそこはやはり大都会シカゴ、立ち並ぶ高層ビルや多くの運河そして何本もの線路を見ると、そのパワーやポテンシャルを十分に感じました。
下に降りると、プレーボーイビルから始まり、トウモロコシの形状で知られるマリーナシティ、ピカソの鉄の彫刻「無題」のあるシビックセンター、ゴシック建築で有名なシカゴトリビューンと、1日中建物を見て回りました。
シカゴ出発は9月上旬。デトロイトを経て次の目的地カナダのナイアガラ、ボストン、そして、北米の最終目的地ニューヨークに着くころには10月になっているでしょう。