ロングアイランド島を走る州ハイウェイ25号線はマンハッタン島へとつながっています。私はイーストリバーに架かるクィーンズボロ橋を渡ってマンハッタンの Y.M.C.A. へ向かいました。
5月末にロスを出発して、4ヵ月ちょっと。サイクルメーターは9,700㎞の距離を刻んでいました。くしくもこの日は私の33才の誕生日、記念すべき日(?)となりました。
チェックインした部屋は、狭いながらもテーブルやテレビなどがひと通り揃えられ、こざっぱりとしていました。荷物を整理して一服すると、1枚の地図を取り出しました。
ロスから始まる曲がりくねった青いボールペンの線に、この日走った距離120㎞、1㎝5㎜の線を書き足すと、ニューヨークまで1本の線でつながりました。その線を目で追っていると、さまざまな景色やいろいろな人の顔が浮かんできました。
この夜、東京の母親に3度目の電話をして、無事にニューヨークに着いたことを伝えました。コレクトコールの対応にも馴れた母親は、電話の向こうで1日遅れ(?)の「誕生日おめでとう」と言っていました。ニューヨークでは安宿を探して1-2週間のんびりと市内観光するつもりでいました。
台湾人Sさん宅にやっかいになる
この日、元同僚のCさんから紹介されたニューヨーク在住のCさんの姉のLさんに電話で連絡してみました。すると「ニューヨーク滞在中は、我が家で過ごすように」と嬉しい誘いを受けました。おそらく、Cさんが頼んでくれたのでしょう。
Lさんの住まいは、Queens 地区の Woodside にあります(上の地図の左中ほど上)。このクイーンズですが、きのう州道25号線を利用してマンハッタンに来る途中に偶然にも通過していました。きのうとは逆にクイーンズボロ橋を渡り、クイーンズブルバード(州道25号線)を走ること数キロ、左手にウッドサイドはあります。
住まいはアパートの3階、とは言ってもリビング・食堂のほかに3部屋、日本で言うところのちょっとしたマンションです。
夜になり、家族の皆さんが帰宅して、賑やかな食事になりました。Lさんの旦那さんのSさんと、そのお母さん、そして学生の妹さんです。どうやら他に2人の間借り人がいるようです。
Sさんは20代後半、マンハッタンでクリーニング店を営業しています。お母さんと夫人のLさんが交代でお店を手伝っています。私が1-2週間お世話になりたいと申し出ると、Sさんは快く了承してくれました。その上、次の休みにはマンハッタン島のクルージング観光を提案してくれました。どうやら、Sさんたちもアメリカに来てからまだ経験がないようです。
やがて、間借り人も帰ってきました。2人とも私より先輩の30代後半、マンハッタンの中華レストランのコックさんです。なんと、その中のひとりwさんは、福岡で働いていたことがあり、日本語がわかるようです。英語でわかりにくい会話は、wさんが通訳してくれました。
台湾人6人と日本人の私1人、他に室内犬が1匹。なんだか賑やかな日々が過ごせそうな気がしてきました。この夜はLさんが預かってくれていた、日本から届いた元同僚たちの手紙を読んでいるうちに寝てしまいました。