1982年11月25日、港町プリマスに到着しました。スコットランドのインバネスから南下を続けて約2週間、そのうち雨が降らなかったのは2日だけです。
しかも、2日間は雪が降りました。他の時期は少し違うかもしれませんが、イギリスの気候の特徴を少し見た気がしました。
スペイン行きのフェリーが夏期シーズンだけでないことを祈りつつ、資料をもらいに街のインフォメーションセンターへ向かいました。
パンフレットには、この時期、便数は減ったもののスペイン北部の港町 Santander(サンタンデール)行きが週2便、日曜と水曜に出ていると載っています。
到着したこの日はあいにく木曜で、フェリーは前日に出ており、あと3日は待たなければなりませんが、まずはこれでひと安心です。[まぁいいや、ノンビリしてからスペインへ行けるし]
フェリー乗り場を確認するために港まで出てみました。フランス行きのフェリーもあるようですが、私の行きたいのは、より南に位置し、暖かい(?)スペインです。港を望む小高い丘には曇り空のなか、灯台がポツンと立っていました。
私は港にほど近いB&Bを訪ね、事情を話して3日間の宿泊を頼むと、あるじは快く泊めてくれました。
ちょっと計算をしてみた
その夜、財布の中身を出して、お金を勘定してみました。3日分の宿代とスペインまでの船代を引くと残金が£8.04 です。[あと3日、これで何とかなるだろう]
ついでに今までの旅費を計算してみました。1ヵ月のイギリス滞在でかかった費用は$800(20万円弱)でした。5ヵ月の北米滞在ではロンドンまでの飛行機代を含めても$2,100(50万円強)です。
イギリスの1ヵ月は北米の1ヵ月の約2倍の費用がかかった計算になります。[天気がよくなかったし、それに寒いのが苦手だから、野宿をしたのがほんの数日。Y.H.では自炊できたけど、B&Bに泊まったら外食。それにパブでよく飲んだしな。まぁしょうがないよ [自分自身にナンダカンダと言い訳していました]
先のこともちょっと考えてみました。カナダやイギリスのように物価が高い国は、おそらくこの先ドイツとスイスの2ヵ国です。ひょっとすると北欧もそうかもしれませんが、他の国はまず大丈夫でしょう。
冬の間は物価の安いスペイン、ポルトガル、そして北アフリカを走り、再びヨーロッパに戻るころには暖かくなるでしょうから、テントでの野宿も可能になり、旅費も節約できます。そう考えると、漠然とながら、あと1年ぐらいは旅行を続けられるような気がしてきました。