この日は街をブラブラ歩いてみました。プリマスは古くからの港町です。16世紀、世界一周へ旅立った船団の母港であり、イギリスの軍艦がスペインの無敵艦隊と戦うために出航したのもこの港です。現在でもイギリス海軍の重要な軍港になっています。17世紀になり、教科書にも載っているように清教徒を乗せたメイフラワー号がアメリカ新大陸へ向けて出航したのもここプリマスの港です。港の一角には見落としてしまいそうな小さな出港記念碑があります。
きのう見た灯台をめざして、丘へ続く急な坂道を上ってみました。そこは Hoe Park(ホーパーク)と呼ばれ、プリマス市民のいこいの広場となっています。公園の中央に立つ灯台は、123年間の長い役目を終えて1882年に岬の突端からこの丘に移築されたものです。今では Smeaton’s Tower(スミトーンズ・タワー)と呼ばれる展望台になっています。
丘の上からはプリマスの港が一望できます。相変わらずの天気のなか、港の遠く先にうっすらとイギリス海峡が広がっています。その先にヨーロッパ大陸が待っていてくれる、そんな気がしてきました。
いよいよスペインへ
翌日のスペイン行きに備え、自転車の手入れと荷物の整理をすませると、食料品の買い出しに出ました。買い出しといっても少しばかり残ったお金を使いきるのが目的です。野菜などナマモノは入管でチェックが入りますので、缶詰などの保存食が主になります。
その夜、居間の暖炉の前で宿の家族のみなさんと一緒にお茶を飲みながら手紙や絵ハガキを書きました。ニューヨークのSさん、セントアンドリュースのアンドリューとキャサリン、そして日本の知人や家族へ。
「あす、スペインに向けて出発します。ヨーロッパではその国のおいしいワインや料理が楽しみです」と、それぞれの文面に書き入れました。[旅を続けていくと、いろいろとお世話になる分、だんだん手紙や絵ハガキを出す人が増えていくな]