ぐるっとヨーロッパ:Spain(1) スペインのサンタンデールへ

小雨の降る朝、郵便局によって、昨夜書いた手紙を出すと、その足でスペイン行きのフェリー乗り場へ向かいました。

桟橋にはかなり大きなフェリーが接岸されています。サンタンデールまでのチケットは数種類あります。個室から始まり、2人部屋、4人部屋、リクライニングシート、そして私が購入した一番安い1人£25、プラス自転車代£5で合計£30(約12,600円)。

ヨーロッパ各国の車が乗船を待つなか、やはりイギリスナンバー GB の車が目立っていました。それらの車と一緒に乗用車の専用デッキへに進むと、係員が慣れた手つきで私の自転車をデッキの壁を這うパイプにしっかりとロープで固定してくれました。

貴重品と寝袋、翌朝までの食料、そしてスペイン語の会話集を持ってラウンジに続く階段を上がると、そこに案内嬢が待っていました。私はチケットを見せながら聞いてみました。

「え~と、このチケットなんですけど、場所はどこになるんでしょうか?」
「こちらは、特に指定はありませんので、どちらでも結構です」
「あっ、どこでもいいんですか?」
「はい。お好きなところ、どちらでも」

日本のフェリーのように大部屋が用意されているのかと思っていましたが、どうやら違うようです。私には、かえってその方が好都合に感じられました。 [好きな場所で寝ればいいんだ、ラッキー]

船内には映画館にカジノ、レストラン、カフェ、パブ、そして免税店と、何でもそろっています。寝る前に、最後に残った小銭でビールを1杯飲むことにしました。

翌朝、82年11月29日(月)、フェリーは予定通りの時間にスペインのサンタンデール港に到着、入国審査もパスポートにスタンプを押して簡単に終了しました。

相変わらず降る冷雨のせいでしょうか、想像していたより寒く感じられます。イギリスとは雰囲気の違う街並みを私は両替のために銀行へ向かいました。

100$=11,500 peseta、1ペセタ=約2.1円の計算になります。次に、インフォメーションセンターを訪ねて地図を購入し、この時期の天候や一般的な宿の情報などを予備知識として聞き込みました。

気になる物価は、実際にお金を使ってみるのが一番です。昼食を Bar(バル)でとることにしました。スペインのイッパイ飲み屋バルは、イギリスのパブと同じように、至るところにあります。

パブと違うのは、お酒を飲むだけでなく、おやつを食べたり間食するためのカフェでもあり、ちょっとした食堂でもあり、朝から深夜までほぼ一日中あいているという点です。

Menú del dia(本日のおすすめ)は、ステーキ、ポテトフライ、豆のスープ、Vino(ビーノというワイン)、そしてコーヒーが付いて300ペセタは約630円。食事中、お店の中から外に目をやると、めずらしいのか、自転車のサイクルメーターを囲んで、大のおとなが数人でワイワイガヤガヤやっているのが見えました。

その夜、二つ星の Hostal(オスタル)に泊まってみました。食事なしで1泊540ペセタは約1,100円。どうやら物価はイギリスの半分ぐらいのようです。スペインには hostal や pension という比較的安い宿があります。

spain01

やっぱりお酒を飲んで走ってた !?

ここで訂正とお詫びがあります。以前、ブログで偉そうに「酒好きの私でも昼間から飲んで走ったことはありません」と書いたことがありましたが、スペインを旅行中、昼食時にワインを(ビールも)飲んでいたのを忘れていました。

スペインでは、ワインが水やコーラより安く、食事には必ず出てきます。頼みもしないのに、テーブルにワインが瓶ごと置かれている食堂もあります。

このような場合、ワインの代金は無料か、またはコップ1杯飲んでも1瓶まるごと飲んでも、料金は同じです。それでという訳でもないのですが、昼食時についつい飲んでしまいました。言い訳になりますが、まわりに流されていたようです。申し訳ありませんでした。 [やっぱ酒好きなんだよなぁ]

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