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ぐるっとヨーロッパ: Portugal(9) ワイナリー見学

到着した翌日は、私の希望を優先して「ワインの無料試飲コース」へ行くことになりました。

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L君が選んでくれたポルト・ワインのワイナリーはドウロ川の対岸ガイア地区にあります。見学者は我々を含めて5人、工場見学が終わると、女性ガイドに案内されてワインの貯蔵ぐらへと移動し、大きな樽からデキャンタに移されたワインの試飲が始まりました。

「ワインの糖分の甘味を残すために、発酵途中でブランデーを加えて発酵を抑えるそうです。そのため度数の高い甘いワインになるそうです。甘いから食後のお酒にイイらしいです。どうですか?」

お酒が苦手なL君は、試飲のポルト・ワインを一口飲むと私に聞いてきました。

「確かに甘いね。俺には甘すぎるかも。で、どのぐらい熟成させるのかな?」
「5年、10年、20年。熟成期間によって風味も値段も違うんですって。高級品は摘んだブドウを足でつぶすらしいです」

私は母親が飲んでいた<赤玉ポートワイン>の味を思い出していました。子供のころ、母親のコップを横取りして飲んだ味、グレープジュースのような甘さのあと、身体中がカッカしてきたことを思い出しました。

違う樽からも別のポルト・ワインをもう2杯。アルコール度数はふつうのワインより高く約20度、私は少々酔ったのか [それにしても、足ってよく洗うんだろうな。アレか? 手についた雑菌がぬか漬けをうまく発酵させるのと同じことなのか。いや、違うな。まてよ、足ってまさか水虫は? そうか、アルコール発酵すれば殺菌されるのか?] と、つまらないことを考えていました。

<大航海時代>に船乗りたちがワインの腐敗を防ぐためにアルコール度数の高いブランデーを入れたのがポート・ワインの起源の一つとされています。なお、試飲ツアーは、現在、ほとんど有料です。

<赤玉ポートワイン>は、サントリーの前身、壽屋洋酒店の製品で、ポルト・ワインとは製法が違います。ポルトガル政府からクレームが入り、1973年に名称を<赤玉スイートワイン>に変更したそうです。

「Hさん。次はビーニョ・ベルデ(Vinho Verde)の試飲に行きますよ。ちょっと遠いので、食事をしてからにしましょうか?」
「うん、そうしよう。なんだかイイ気分になってきたし、おいしく昼飯が食べられそうだ」

ポルト周辺にはもう一つ、ビーニョ・ベルデという有名なワインがあります。L君は、もう一ヵ所ポルト郊外に、ビーニョ・ベルデを試飲できるワイナリーを探してくれていました。ビーニョ・ベルデは熟す前のブドウを発酵させたほんの少し緑色をした微発泡の白ワインです。

L君に言わせると Verde(ベルデ)はポルトガル語の緑ですが、他に若いという意味があり「緑のワイン」より「若いワイン」の方が意味合いとして、ふさわしいそうです。

「L君、日本語では〈青二才〉とか〈青臭い〉という表現を使うんだ。日本語の青とポルトガル語の緑は同じ未熟で若いという意味があるようだね。わかる?」
「ええ、なんとなくわかります。そうですか、青色ですか。〈青臭い〉か。僕のことみたいですね?」
「オオッ、L君よくわかってるネー」

このワインは製造直後がおいしいそうで、当時の日本にはあまり輸出されていませんでした。微発泡ということもあり、口当たりよくスッキリとした味は、なんだかワインを感じさせませんでした。

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