当時の人口約65万人、アンダルシア地方の中心セビリア、フラメンコと闘牛で知られた観光地です。
1492年、セビリアの街を東西に二分するグアダルキビール川からコロンブスが新大陸アメリカへ向けて船出をしています。そのグアダルキビール川の東岸とサンタ・クルス街とに挟まれたあたりが観光エリアです。私はいつものように自転車で街に出ました。
セビリアのシンボル〈ヒラルダの塔〉は高さが100m近くあり、街のいたるところから見ることができ、観光の目印にもなっています。12世紀にイスラム教徒が建てたミナレット(尖塔)は今では鐘楼になり、その上には〈ヒラルディージョ〉とよばれるブロンズ製の女性像の風見鶏があります。
その下にあるのがスペインで一番大きい〈セビリア大聖堂〉です。15世紀にイスラムのモスク跡に建てられたカテドラルで、中にはコロンブスの棺が安置されてます。
カテドラル内を一巡りして〈オレンジの木の中庭〉と呼ばれる中庭に出ると、そこは〈ヒラルダの塔〉の入口につながっています。入り口から階段がわりのスロープを延々と登り、地上70mの展望台に出ると、セビリアの街を一望することができました。塔が建てられた当時から、馬や馬車でも昇れるように階段ではなくスロープだったようです。
続いて、カテドラルのすぐ南にあるセビリアの白い城〈アルカサル〉に向かいました。カテドラル裏側部分の会議場に面した道路には、セビリア名物の鮮やかなオレンジ色の車輪の観光馬車がたくさん駐車(?)していました。どうやらシーズンオフで観光客が少なく商売にならないようです。
8世紀から13世紀まで500年以上もイスラム勢力に支配されていたイベリア半島。イスラム排斥が続く中、最後までキリスト勢力に抵抗したのが、ここアンダルシア地方です。その影響は今でもセビリアの街並みや建造物にも残っているように感じます。
セビリアのアルカサルも、元々はイスラムの城をスペイン王室の宮殿として14世紀に建て直したもので、その後も増築を16世紀まで続けたこともあり、いろいろな建築様式が融合した宮殿になっています。
アルカサル内には〈パティオ〉と呼ばれる回廊に囲まれた中庭が多く見られます。〈パティオ〉はアンダルシアの暑さをしのぐために風通しを工夫した中庭で、中央に井戸や噴水が設置されています。
(パティオは一般の建物内にも造られており、井戸端会議の場にもなっています)
カテドラルとアルカサルに隣接して植民地時代の公文書やコロンブスの日記などを所蔵した〈インディアス古文書館〉があります。1987年、これら3ヵ所が世界遺産に指定されました。
宿に戻る途中、カフェでコーヒーを飲みながら一服していると、お客のオジサンに「しっかり外の自転車を見てなきゃダメだぞ」と注意を受けました。やはり、セビリアはチョッピリ物騒な街のようです。