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異文化・北アフリカ: Morocco(11) ガイドとW君の交渉

交渉はさらに続きましたが、やがてしびれを切らしたのか、

「もういいよ、タダだ。タダでいいよ」
「よ~し、本当にタダだな。絶対払わないゾ。なら案内してくれよ」
「オーケー。タダで案内するよ」

私は交渉役(?)のW君に言いました。

「こういうのって、最後に『金払え!』って、モメルんだよ」
「Hさん。俺、絶対払いませんから大丈夫ですよ」

この時、場合によっては少しぐらいなら払ってもいいかなと思っていました。正ちゃん帽のガイドが聞いてきました。

「どこか行きたいところがあるのか?」
「何も知らないし、まかせるよ」
「オーケー。じゃ、皮の染色場とジュータン工場に連れてくよ。フェズの革製品と絨毯は品質が良くて、モロッコ中から買い付けにくるんだ」
「へぇー、そうなんだ」

メディナの道は狭く車が入れません。荷物の運搬はもっぱらロバが担っています。そんな荷物運びのロバを避けながら、入り組んだ道を進んで行きました。年上のガイドにはほかに仕事があり、暇なときガイドをしているそうです。

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メディナのパン屋さん

途中、いい臭いとともにパン屋が目に入りました。ちょうどアラブ独特のホブスといわれる大きな丸いパン(大きさは日本のお盆ほどで重さ約2㎏)を釜から出しているところです。のぞいてみたくなった私は、許可をもらい店内に入らせてもらいました。

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お店は、釜の前に座って焼き具合を見ている職人と、ちょうど接客中のオジサンの二人でキリモリしているようです。釜の反対側の棚には焼きたてのホブスが無造作に積まれています。人の背丈もあろうかと思える大きな釜の奥には、これから釜だしを待つ焼き上がったばかりのホブスがまだ並んでいました。

皮の染色工場

パン屋から歩くこと数分、皮はぎ工場に案内されました。休日なのか、それともお祈りの時間なのか工場には誰もいません。獣臭とともになめされた皮がぶら下がっています。「羊や山羊それに牛の皮だ」と説明してくれました。

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再びメディナの小路を歩いて、次は染色工場に向かいました。こちらの工場にも人影はありません。染料の入った大きな穴のような壺と、染められた皮が干されているのが目に入りました。壺の脇には、羊の頭の骨でしょうか、角とともに無造作に積み上げられていました。

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