3時半、印紙ともにパスポートまるまる1頁にスタンプを押されたアルジェリアの入国ビザが無事に発給されました。
「このビザの有効期限は今日から三日間です。つまり、2月26日までに入国しないと無効になります。正当な理由がないと再発行は難しくなります。許可する滞在期間は1ヵ月、特別な理由のない限り延長はできません。
不法滞在はもちろん拘束されます。最後にHさん、強制両替を必ずしてください。忘れると、拘束される場合もありますから、いいですね。何か質問は? それではよい旅を」
「オーケー、ムッシュ。シュクラン」
カウンター越しの職員は事務的ですが、私たちにわかりやすい英語で、丁寧に説明してくれました。ただ、何より驚いたのはビザの有効期限です。三日以内の入国は初耳でした。
宿へ戻る道すがら、W君とさっそく作戦会議(?)です。
「Yさんが、フィギまで350キロって言ってましたよね。三日で走れますかね?」
「無理だろうな。日は短いし、アトラス山脈の隙間を行くような道だから、かなりアップダウンがあると思うよ」
「やはり、バスですか。列車はどうだかわからないし」
「うん、余裕をもってバス。バスで行こうよ」
その足でさっそくバスターミナルに寄ると、朝10時発で午後5時着のフィギ行きバスを確認しました。
翌日には、この日昼食をともにしたモロッコ人から昼食の招待を受けていましたので、出発は明後日の朝10時に決めました。