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異文化・北アフリカ: Algeria(12) 首都アルジェをめざして

モロッコより物価は高いものの、1ヵ月間過ごすには両替したお金で十分のようです。どうせ再両替してもらえないアルジェリアのお金です。「ノンビリ走り、余ったお金で最後に高級ホテルで豪遊(?)しよう」これが二人の約束になりました。

この先首都アルジェまで5日ほどの行程になりそうです。国道4号線は下り基調の平坦な道が続いています。周辺には田園風景が広がり始め、道端には野草が色鮮やかに咲き、春が近いことを知らせてくれているようでした。

国道を行く車の数もだいぶ増えてきました。ルノーやフィアットなどの欧州車よりも日野の大型トラックやトヨタやマツダの中・小型トラックが目立っています。農作業をするトラクターやコンバインも日立やサカイなど日本製が目につきます。

イスラムのお祈りタイム

走行中の私たちの横を1台の小型トラックが通り過ぎて止まると、車から運転手が降りてきました。手に持ったゴザを道路脇に広げると、やおら膝をつき、両手を挙げて例のイスラムのお祈りを始めました。どうやら、運転手のお祈りの時間がきたようです。

信仰深いイスラム教徒には金曜日にモスクで行われる合同礼拝(村や町では拡声器から音楽やアナウンスが流れ集合を知らせます)のほか、平日1日5回のお祈りタイムがあります。起床時と就寝前、そして午後1時過ぎ・5時過ぎ・7時過ぎの3回、計5回のお祈りの一つ一つにそれぞれ名称がついています。

昼から夜にかけての3回のお祈りは国によって多少の違いがあるようです。仕事の合間にチョコットだったり、しっかり休憩をとってのお祈りだったり、個人それぞれの事情に合わせて、ある程度自由に決めているようです。

すべてではありませんが、アルジェリアのカフェにはタタミ2~3畳ほどの別間があり、お祈りを捧げる神聖な場所・モスクとなっています。カフェの店主に頼んで覗かせてもらいましたが、お客はお茶を飲む前、あるいは後と、自分のペースでお祈りをしています。

別間のモスクにはキリスト教と違い、十字架やイエス像やマリア像などの象徴となるものは置いてありません。ただ、壁の一部が窪み、色違いのタイルですぐにわかるようになっています。

〈ミフラーブ〉と呼ばれるその壁の窪みは、ムハンマドの生誕の地サウジアラビアのメッカの方角を指し示しており、皆その〈ミフラーブ〉に向かってお祈りをしています。

帰国後わかったのですが、メッカの方角がわかる専用のコンパスがあり、移動先でもお祈りをする方角に狂いはないそうです。あの時、車を停めてお祈りをしていた運転手もきっとメッカの方角がわかっていたのでしょう。

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