アルジェリアで過ごす最後の街エルカラに着きました。エルカラは地中海に面した静かな港町、チュニジアとの国境まで、あと10数キロでしょうか。アルジェリアの滞在ビザの期限は二日後と迫っていましたが、それまでこの港町でユックリするつもりです。
エルカラの三つ星ホテル
アルジェリアの都市部では想像以上に物価が高く(街の食堂で1食1,500円以上も)、強制両替のお金も思いのほか残っていませんでした。それでも残金はこの地で遣いきるつもりです。
まずはアルジェリアで初めて三つ星ホテルに泊まることに。ホテルは翌日予約で満室ですが、幸いこの日は空室がありました。1泊二人一部屋 160Dr=約8,700円。[念願の星付きホテル、しかも三つ星だ~ッ!]
三つ星ホテルということで期待をしたのですが、見事に裏切ってくれました。やはり部屋付きの浴室とトイレは水が流れず、使用できません。救いは綺麗なシーツとホテル内のレストランでアルコールが飲めることです。
おまかせ定食=約1,800円、ビール1本=約430円、ワイン1本=約1,900円を注文。W君と二人でチョッピリ贅沢をしてみました。
この日は別のホテルへ移りました。前夜飲み過ぎた(?)せいか、お金も残り僅かです。何とか部屋代 90Drを半分の45Dr=約2,450円にまけてもらうことに。部屋のドアの鍵は壊れ、ベッドのシーツは汚れ、45Drでも高いようです。
いずれにせよ、翌日にはチュニジアへ出国します。W君は部屋でいろいろ整理があるようなので、私は午後から一人スケッチブック片手に港へ出てみました。
ドンヨリした空のもと、海は穏やかな波に揺れています。漁を終えたのか、防波堤の向こうから漁船が一艘港へ戻って来るのが見えました。昼下がりの港には静かな時間が流れています。
ヒマつぶしのスケッチを1枚描き上げるとホテルへ戻りました。時間は3時過ぎ、ちょうど用事がすんだW君とハマム(大衆浴場)へ。
「それにしても、昨日の三つ星ホテルは期待外れでしたね」
「ああ、水がな。今まで泊まったホテルみんなだもの。一流ホテルはどうなんだろう?」
「でも、アルジェリアは結構人なつっこい人が多かったですね。それに親切な人も」
「うん、確かに。悪ガキ以外はね。アッ、W君、そういえばラクダの肉食べてないんじゃない?」
「そうでした。完全に忘れてました。魚料理で満足してましたよ」
ハマムで身体を洗いながら、二人の反省は、アルジェリアでラクダの肉を食べなかったことでした。