荷物の引き取りと同時に壊れたカメラなど不要になったものを日本へ送るつもりだった私は、それらを取りに一旦ホテルに戻りました。
ちょうどい合わせたW君に、ソフトボールとバーベキューに誘われた話をしました。実はhさんの話には続きがあり、ソフトボールのあとに自宅で晩ご飯に招待してくれたのです。
「いずれ日本食でもどうですか?」初めてhさんに会った時にかけてくれた言葉です。ねぎらいの言葉程度に考えていましたが、実行してくれるなんて、ありがたいことです。私が「日本食が恋しい」とでも言ったのでしょうか、いやそんなはずはありません。
「Hさん、食べたいものがあったら言ってください。用意しますから、何かあります?」
「いえいえ、もう何でも結構です。お任せします」
「わかりました。じゃ、適当に」
「いえいえ、もう何でも結構です。お任せします」
「わかりました。じゃ、適当に」
W君が食いついたのはむしろ日本食のほうで、当日が楽しみのようでした。
チュニスの中央郵便局で係員に伝票を差し出すと、パスポートの提示を求められましたが、何事もなく日本からの小包を受け取ることができました。
詳しいことはわかりませんが、大使館で本人確認をした後に郵便局で荷物を手渡す、そういう決まりのようです。場合によってはその場で本人に荷物を開けさせる場合があるのかもしれません。
私は壊れたカメラなど不要になった荷物を船便で日本へ送ると、すぐさまホテルに戻り、届いた小包の中身を確認しました。新しいカメラを始め、薬にガイドブックなど頼んだものがすべて入っていました。
さっそく、3階の部屋の窓から下の道路を行き交う車や人々のようすを新しいカメラで撮ってみました。

日曜日の朝、私たちがホテルの前で待っていると、同僚の運転する車でhさんがやってきました。向かう先はアメリカ大使館近くの運動場(アメリカ大使館が所有するグラウンドだったかも?)。道中、hさんがいろいろと説明してくれました。
アメリカ大使館とは年2回、ソフトボールの親善試合をしているそうです。しかし、今まで一度も日本チームは勝ったことがないとのこと。
野球はいわばアメリカの国技(日本も同じですが)、かなり本気モードとのこと。日本側はメンバーが足りない時もあり、アメリカ側に助っ人を頼む場合もあるそうです。試合のあとのバーベキューも恒例だそうで、こちらが楽しみな人も多いようです。
試合開始時点では応援団もいませんでしたが、徐々に両チームの家族が集まり始めました。しかし、応援というよりバーベキューの準備で集まったといったほうが正しいでしょう。
やはりパワーに勝るアメリカ大使館チームは強く、7回表終了4対12x で日本側の敗け。私自身は3打数1安打の1打点。
昼からお待ちかねのバーベキューが始まりました。ソフトボールを観戦していたW君も、この時とばかり楽しそうです。
肉や野菜、そして私にとっても懐かしいアメリカンビールのバドワイザー。このバドワイザーはアメリカから定期的に送られてくるそうで、大使館職員の話ではビールに事欠いたことはないそうです。
アメリカ、カナダと北米大陸を自転車で横断してきた私は、ちょっとした人気者だったのを覚えています。