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ぐるっとヨーロッパ: Greece(1) フェリーでギリシャのパトラスへ

出国手続きをすました私たちは、ギリシャに思いを馳せ、あれこれおしゃべりしながら乗船時間まで港で待機することにしました。

Spain(18)に書いた〈シェンゲン協定〉以降はどうなのかわかりませんが、当時ブリンディジの港では、日本円にして約700円ほどの出国税を払い、出国スタンプを押してもらっていました。日本でいうところの空港利用税みたいなものでしょうか。

「Hさん、自転車に乗って記念写真を撮りましょうよ」
「何で今さら記念写真なの?」
「だって二人で一緒に走るのも、そろそろ終わりじゃないですか」
「なるほど、そういうことか」
「じゃあ、あっちから走ってきてください」
「オーケー、わかったよ」
「ハ~イ、撮ります。こっち向いてください」

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ヒマに任せた(?)写真撮影も終わり、日が傾き始めるとギリシャ行きのフェリーの乗船が始まりました。乗船客はイタリアの若者とその他ほとんどがドイツからのお年寄りの団体でした。[そういえば、チュニジアでもドイツからの団体が多かったナ] 私はチュニスの観光地で目にした光景を思い出していました。

安いチケットの私たちはデッキで一晩過ごさなければなりません。それでも5月のアドリア海の潮風は優しく、寝袋にくるまる必要はなさそうです。

前夜9時にブリンディジを出港したフェリーはアドリア海を南下し、イオニア海に浮かぶ島々を抜け、翌日の5月4日午後5時にギリシャの港街 Patra (パトラス、パトラ)に到着。1時間の時差を引いて19時間の船旅を終えました。

ギリシャの地名は、地図にギリシャ語と併記されたアルファベット表記によるものです。カタカナ発音は一般的なもので、その時代の古名や支配された国によって呼び名が異なる場合もあり、必ずしも統一されていません。

乗客全員すでに前夜のうちに船上でギリシャへの入国審査を済ませているので、下船と同時にそのまま港の外へ出ることができます。さすがに旅客機では無理でしょうが、時間のある船旅ではこうあって欲しいものです。

パトラスはバルカン半島の南端、ギリシャ本土の南西ペロポネソス半島の北部に位置する西部ギリシャの玄関港です。首都 Athine (アテネ)までは東へ200キロちょっとになります。

パトラスの南、半島の西部には、紀元前に古代オリンピックが開かれていたオリンピアの競技場の遺跡があります。ゼウス神殿やテレビのニュースで目にする聖火の採火式の行われるヘラ神殿など見所もありますが、そちらへは立ち寄らず、アテネをめざすことにしました。

日没を気にしながらスーパーで急いで晩飯の買い出しを終えると、暗闇の迫るなかを走り出しました。港から10数キロ、静かな入り江を見つけ、ギリシャ初日のテントを張りました。

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その日のメモはこう記しています。
「第一印象、海がキレイ。物価が安そう。ギリシャ文字がまったくわからない」

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