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ぐるっとヨーロッパ: Greece(7) 帰国航空券とブルガリアのビザ

3日間のアテネ市内観光を終えると、この日二人は別行動で次の準備へ。W君は帰国のための航空券の入手、私はブルガリア入国に必要なビザの取得です。

アテネ初日のブログでアテネは貧乏旅行者に優しいと書きましたが、学生にはより手厚く、多くの学生専用の旅行代理店がプラーカ地区にあり、宿の予約からチケットの手配まで、さまざまな相談にのってくれます。W君はそんなスチューデント・トラベル・ビューローを訪ねることにしたのです。

私はアテネ初日にインフォメーションで教えてもらっていたブルガリア政府観光局の代理業務を行う事務所へ向かいました。

場所は国会議事堂の北側に面した通りから北西に延びるアカデミアス通りを少し入ったオフィス街の一角のビル。このアカデミアス通りを先に進めばアテネアカデミー、アテネ大学そして国立図書館と三つの立派な建物が並んでおり、アテネの学術中心地といったところでしょうか。

説明によるとブルガリアの観光ビザをこの事務所で発給してくれるとのこと、私は申請書をもらい翌日再び出直すことにしました。宿に戻り申請書に記入していると、W君がうれしそうに帰ってきました。

「Hさん、やりました。チケットとれましたよ。ネパールにも行けそうです」
「おおッ、そうか、ネパールに行けるの。よかったじゃん」

実はW君、日本へ帰る途中ネパールのカトマンズに寄りたいと、前から希望していたのです。

「で、いつの便なの?」
「それが急なんですけど、あさっての夜の便です。直通便はありませんから、取りあえずインドまでです」
「えっ、そりゃ急だね。あれ? あさってって13日の金曜日じゃないの?」
「キリスト教徒じゃないから、それは関係ありませんよ。僕ら」
「そうだな。俺たちは神社仏閣だから関係ないか。とにかくよかった」
「Hさんの方はビザどうでした? もらえました?」
「うん。今、申請書を書いてたんだ。明日、また出掛けてもらってくるよ」
「そうですか。お互いよかったですね。いよいよって感じです」
「そうだな、いよいよだな。この先はバラバラだけど、お互い気を付けような」
「そうですね。今まではずっと一緒でしたけどね、気を付けます」
「4ヵ月間だぜ。毎日ほぼ24時間、一緒だったな」
「そうですよ。野宿をしてもテントは隣り合わせでしたから」

しばらく沈黙のあと、

「いろんなこと、よく話しましたよね」
「あぁ、くだらないことも、まじめなこともな」
「時間だけは、たっぷりありましたからね」
「よっしゃ。この先も無事を祈って、前祝いに一杯飲みに行くか」
「それって、前祝いになります? いいですよ、行きましょう」

宿の近くに行きつけのタベルナ(食堂)があり、そこで晩飯を食べながらの一杯。4ヵ月間のできごとを酒のさかなに二人で盛り上がりました。

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