エアポートバスの発着所はシンタグマ広場からアマリアス通りを南へ200mほど行った日本航空(JAL)のオフィス近くにあり、私たちの宿から歩いて15分ぐらいです。
当時のアテネ空港は南へ15キロの海沿いにあるエリニコン国際空港。市内から近いこともあり、コースによっては離着陸時にアクロポリスの丘が見えることで知られていました。
アテネオリンピックに合わせて、2001年に新しいアテネ国際空港が市内から東へ30キロの場所に開港し、それと同時にエリニコン国際空港は閉鎖されています。
発着所には1台のエアポートバスがすでに待機していました。W君がドライバーに出発時刻を尋ねています。ステップから降りてくると、
「あと5分で出発みたいですから、僕これで行きます」
「そうか。じゃあ、気を付けてな。そうだ、アテネの夜景だよ。ライトアップされたアクロポリスを見ろよ」
「はい。見てみます。必ずネパールから手紙書きますから」
そう言ってステップを上がっていくW君に私は少し大きな声で、
「おッー、オスロの日本大使館な!」
W君が車内から手を振っています。私はそれに応えて手をあげると、彼が着席するのを見届けてその場をあとにしました。
ギリシャのシエスタ
私は、その足で自転車の引き取りに行くことにしました。時刻は午後6時、お店は開いていると言うか開いたはずです。
以前、スペインのマドリードでシエスタについて書きましたが、ギリシャにもシエスタがあり、少し驚きでした。
ローマではそれほど感じませんでしたが、南イタリアを代表するナポリでは午後2-3時間、一般的なお店はしっかりシエスタをとっていました。
当初、ギリシャにはシエスタがないと思っていたのですが、ギリシャに渡るとそれはもっと顕著に、そして少々複雑な形で経験することになりました。
まず、時間はスペイン並みのタップリ4時間以上、お店が開くのが午後5時以降、そして、曜日によっては夕方から開かない日があるのです。
具体的には、月・水・木曜日は午後2時過ぎに閉店終了。火・木・金曜日は1時に閉店し、5時過ぎに再び開店すると8時過ぎまで営業します。
これは私が旅行した1983年当時のこと、EU 加入後、経済危機が叫ばれるギリシャですが、今でもこのスタイルかどうかはわかりません。
W君の自転車を買い取ってくれた店主に、彼が出発したことを告げると「これからお前一人か、ギリシャの海はいいぞ。海岸線を走れ」とのアドバイス(?)。肝心のパーツ交換とメンテナンスは値段を含めて満足のいくものでした。