昨夜のうちに雨も雷も上がったようです。どんよりとした雲のもと、入江全体に朝モヤがかかかり、きのうの海とはひどく違った感じを受けました。沖に漁船らしき小さな船が1艘見えています。
海岸線を北上するつもりが、地図には海岸沿いの道路がありません。海に向かう道はすべて行き止まり、それらをつなげる道がないのです。地図によると海側に標高1,600mを超える山を始め、北には海からいきなりそそりたつように1,978mの山があります。どうやら絶壁が続き、道が通らないようです。
やむなく、Larisa (ラリーサ)まで内陸部を走ることにしました。幸い、ラリーサ周辺は平野部が続き、距離は稼げました。ラリーサはピオニス川沿いに開けた肥沃な土地を生かし、古代から栄えた街です。きっと見所もあるでしょうが、素通りしました。
問題はテッサロニキまでのルート、前方にギリシャの最高峰オリンポス山(2,917m)がそびえています。最短はピオニス川沿いの国道1号線を走り、テルマイコス湾に出て、オリンポス山と海岸線の間を一気にテッサロニキまで行くルートです。
問題は交通量。国道1号線は車が多く、温和に見えるギリシャ人ですが、ハンドルを握ると結構飛ばします。バイクに乗ってる人もノーヘルでガンガン飛ばすので、危なっかしくて、しかたありません。
オリンポス山を迂回するルートは交通量は減りますが、内陸部ゆえ少々ハード、距離的にも遠回りになります。私は最短の国道1号線、海沿いルートを選択しました。
ラリーサの街から国道1号線へ。初めは交通量に少々戸惑いましたが、すぐに馴れました。街から20キロほど走ると、高速道路を外れ、ピオニス川支流の川沿いでキャンプを張りました。
野良仕事帰りのオジさんが声をかけてくれました。「夕立が来たら流されるゾ~、気をつけろ~」、昨夜はこの辺りでも夕立があったのでしょう、晩飯の支度を始めた私の頭上で雷が鳴っていました。この日のメモに「本日の走行距離120キロ」とあります。平野部ゆえ距離を稼げたようです。
右手にテルマイコス湾、外海はエーゲ海。左手には神々が棲[す]むといわれるオリンポス山のつもりでしたが、どうやら国道1号線からその頂きは望めないようです。
道路標識によると、この先20キロほど街がないようです。[20キロか、暗くなっちゃうかもしれないな、戻るか] 国道1号線を5キロほどUターンし、先ほど通過した町まで戻ることにしました。
Nea Agathupolis (ニイア・アガトウポリス)は海辺の小さな町、いや町と呼ぶほど大きくありません。当時の人口は300人ほど、村と言ったほうがいいかもしれません。ビールと水を手に入れると、浜辺でキャンプ。
あと50キロも走ればテッサロニキに着きます。テッサロニキではユースホステルに泊まって久しぶりに汗を流すつもりです。[オッと、洗濯も忘れずに]