ギリシャのカフェでは北アフリカのカフェのような雰囲気を感じました。何となく時間がゆっくり流れているのです。大きく違うのはお酒が飲めること。スペインのバルのようにツマミの料理も用意されています。
バックギャモンとコンボロイ
カフェではギリシャのオジさんが独特のギリシャコーヒーをすすりながら、バックギャモンに興じる姿をよく見ました。このゲームは人気があるようで、公園のそこここで対戦する姿を見かけました。
二人で対戦するするボードゲーム、バックギャモンは日本では西洋双六(すごろく)と呼ばれることもあます。チェス、ドミノ、トランプと並んで世界四大ゲームの一つに数えられています。
二つのサイコロを振り、先に15個の駒すべて上がったほうの勝ち。その起源は古く古代エジプトといわれています。ギリシャ、イタリアとより細かいルールが考えられ、世界中に広がりました。
日本にも中国を経由して6-7世紀に伝わりました。万葉集や枕草子、源氏物語、徒然草など多くの書物に双六[すごろく]として登場しています。
江戸時代には新たに登場した双六と区別するために、盤[ばん]双六と呼ばれるようになりました。子どものころ、正月になると引っ張り出してきて遊んだのは絵双六。なぜか盤双六はすたれてしまいます。
もう一つ、ギリシャでは手に数珠を持つオジさんをよく見かけました。正しくは数珠のようなものです。日本の数珠と違うのは珠(タマ)を通す紐のアソビが長いのです。
歩きながら、コーヒーを飲みながら、それをジャグラーのようにくるくる回したり、パチパチ・カシャカシャ・ザラザラさせてます。気になって、アテネのカフェで聞いたことがありました。
「これか? これは Komboloi (コンボロイ) といってな、まぁアクセサリーみたいなもんだ。お祈りか? お祈りとは関係ないよ」
紐に通すタマもいろいろで、ビーズ・自然石・骨(動物)などがあり、価格もピンキリとのことです。なぜ持っているのかは、よくわからない答えが返ってきましたが、ボケ防止にはなりそうです。
このバックギャモンもコンボロイも「オジさんたちのもの」、そんな気がしました。女性がバックギャモンをする姿もコンボロイを手にした姿も目にしませんでした。
転落防止の車止めのない急カーブの街道沿いにギリシャ版灯籠(?)がありました。お腹の部分にオイル・ランタンやロウソクが入っていて、夕闇が迫ると通行人が明かりを点し、ドライバーに急カーブを知らせるのです。安全祈願でしょうか、灯籠のテッペンに鉄線で形どられた十字架も見えます。
ブルガリアとの国境までもうすぐだというのにいきなりの夕立。建設中の建物を借りて雨宿りになりました。1時間半ほどで雨は上がり再び出発です。
国道63号線は Strymon(ストリモン)川沿いを北上。右手に鉄道も見え始め、国境まであと5キロ。いつもそうですが、なぜか国境が近づくと緊張します。
ギリシャ側の国境の村で、残った250ドラクマでマルボロを4箱買うと、お店のお婆ちゃんがコーヒーをご馳走してくれました。
「エフハリストー」お礼と一緒に5円玉を手渡すと、お婆ちゃんはニッコリしてくれました。「お孫さんにあげてください」と英語で伝えたのですが、わかってくれたでしょうか。