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ぐるっとヨーロッパ: Austria(6) 優れものの観光案内

インフォメーションでもらった市内の観光案内を片手に市内を巡ったのですが、日本語版のオーストリア全体の観光案内がよくできたものでした。

広げると60×80㎝ほど、片面にオーストリア全図と国内移動にあたっての細かな情報が、小さい文字でぎっしり記載されています。

オーストリアはウィーンを一つの州としてチロル州やザルツブルク州など九つの州に分かれています。反対面にはその州ごとの観光スポット情報などが、これまたぎっしりと記載されているのです。

レンタサイクルの乗り捨て可能な駅名やシュロスホテルと呼ばれる、城館をホテルにした宿泊施設のリストなどもあります。

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海外でもらう日本語版の観光資料に誤字、脱字は付き物ですが、この観光案内は情報量が多いにも関わらずそれがありません。

制作はオーストリア観光局とあり、反対面の州章が並ぶ下に、小さく PRINTED IN AUSTRIA とありました。[ははッ~ん。これドイツ語版を日本で翻訳、編集、文字組したんだ。だから、誤植がないんだよ。校了後に製版フィルムをオーストリアに送って印刷したんだろう]

印刷業界では2000年ごろからコンピュータ出力により、フィルムを必要としないダイレクトに刷版(サッパン=フィルムをアルミ板に焼き付けインクをのせる凹凸を作り、このアルミ板を印刷機にかけます)するフィルムレスが主流となりました。

それ以前の大量印刷には、刷版用に製版フィルムが欠かせませんでした。日本語の部分はすべてスミ版と呼ばれる黒文字のみ。カラー印刷には4枚の刷版が必要ですが、スミ版は1枚ですみます。

日本から送られたフィルムをもとにオーストリアでスミ版用の刷版を作り、印刷したと思われます。英語版や仏語版などの観光案内も、原語国で多かれ少なかれある程度の作業をしたのでしょう。

夕食時、フランツ爺さんが聞いてきました。

「ノブ、ウィーンの街はどうだった? いろんな国を回って来たから何か感じるだろう」
「そうだなぁ。落ち着いた、そう上品な感じの街かな」

とっさに浮かんだ感想でした。お世辞でもほめすぎでもないはずです。

「おいッ、聞いたか。ウィーンは上品な街らしいぞ」

フランツ爺さんは奥さんにそう話しかけると、うれしそうにニコニコしていました。

「ところで、予定通りあした出発するのか? まだ、ゆっくりしてもいいんだぞ」
「はい、ありがとうございます。でも、予定どおり、あした出発します」
「そうか。それならワシが途中まで送ってやるよ」

出張中の息子さんが、あすドイツから帰ってきます。同居はしていないものの、そこは親子、何かとあると思い、これ以上の連泊は遠慮しました。三日間続いた酒盛りも、この夜は晩酌程度に自重することに。

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