ザルツブルクは〈塩の城〉という意味です。周辺で採れる岩塩の取引がこの街に富をもたらし、古くから栄えていました。街の真ん中を Salzach(ザルツァッハ川)が流れ、北側の新市街と南側の旧市街を二分しています。
街の見所は旧市街に集中しているようです。私の泊まったユースホステルも旧市街に位置しています。さほど大きくない街ですから、自転車なしで歩いて回ることにしました。
まずはインフォメーションで観光資料を入手することに。[バスツアーってこれかぁ。へぇー、いろんなコースがあって、選べるんだ]
映画「サウンド・オブ・ミュージック」
「サウンド・オブ・ミュージック」は1965年にアメリカで製作されたミュージカル映画で、もともとはブロードウェイでヒットしたミュージカルです。映画も世界的に大ヒットし、アカデミー賞を受賞しました。
「サウンド・オブ・ミュージック」の日本での上映時、私は高校生でした。その数年前に同じミュージカル映画「ウエストサイド物語」が上映されました。当時、これらの映画からミュージカルの強烈なインパクトを受けました。
遊び仲間と指をならしながら訳のわからぬ踊りを繰り返してスクリーンの真似をして遊んだ記憶があります。どちらの映画も強く印象に残りました。
舞台は第二次世界大戦直前のオーストリア。ナチス・ドイツがオーストリアに併合を迫るという背景があります。
妻をなくしたオーストリア海軍の大佐一家へ主演ジュリー・アンドリュース演じる尼僧見習いのマリアが子どもたちの家庭教師としてやって来るところから物語が始まります。すったもんだのあげく、ドイツ軍から逃れるため、家族全員で中立国スイスへの国境越えをするのです。
山々をバックに緑の高原で踊りながら声高らかに歌い上げる、そんな場面を[これぞミュージカルだ]という思いでみていました。
映画で20近い曲が歌われていますが、特に記憶にあるのは〈ドレミの歌〉ではないでしょうか。自作の替え歌を考えた人もいるはずです。
日本でもヒットしたこの映画は、ロケ地のザルツブルク以外のドイツ圏ではほとんど上映されませんでした。悪役のドイツはもとよりオーストリアでもあまりにも片寄った描かれ方に疑問を持ったようです。
ヒトラーはオーストリア出身、当時併合に関してオーストリア国内でもいろいろな意見があったのです。もともと題材は実話小説、人物の描き方にも相違点が多かったようです。
今ではそのミュージカルのお陰で少なからず観光客が訪れ、バスツアーも人気があるとしたら何かちょっと皮肉ですね。
〈サウンド・オブ・ミュージックツアー〉は近郊のロケ地を訪ねるツアーです。それぞれ半日ほどの三コースが用意されていました。日本語版のパンフレットも置いてあり、ツアー料金の200シリングは日本円で約2,600円といったところでしょうか。
少々興味のあった私ですが[半日もねぇ? バスツアーはいいや、やっぱ市内見物しよう]観光マップをもらうと、何はともあれ城山に登ることにしました。