ザルツァッハ川近くのインフォメーションから南へ行き、ドームと呼ばれる大聖堂を過ぎると小さな広場に出ます。その先に城山〈ホーエンザルツブルク城〉へ登るケーブルカーがあります。
[1892年とあるから90年も前から動いているのか。でも、元気な貧乏旅行者はケーブルなんか使いませんよ。歩いて登りますよ。ハイッ]ケーブルカーの所要時間約1分とありますから、歩いて登っても、それほどかからないはずです。
ザルツブルクのシンボル〈ホーエンザルツブルク城〉は、11世紀に大司教がローマ法王とドイツ皇帝の激しい勢力争いを懸念して築いた城塞です。その後何百年ものあいだ増改築され、一度も陥落したことがないそうです。
城内にいくつか博物館があり、さまざまなものが展示されています。テラスからは、眼下にザルツブルクの街が一望できます。
[あれッ、こんな急だったっけ? 見上げる感じだったからな]上りでは気づきませんでしたが、下りは違うようです。下りの途中から、来たルートとは反対の東方向へ曲がりました。
行き先は〈ノンベルク尼僧院〉。サウンド・オブ・ミュージックのマリアが所属する尼僧院で実際のロケ地です。何となく見覚えのあるようなないような…。僧院内を歩いたものの、残念ながらその程度の印象でした。
城山を下り、再び大聖堂、その先に大司教の住まい〈レジデンス〉、そして東西に走るゲトライデ通りへ。ゲトライデ通りはドイツ語で小さな通りという意味ですが、実際には旧市街のメインストリートです。時刻はすでにお昼、大勢の観光客でごった返していました。
中世の商家が建ち並ぶ通りには、軒先に歴史を感じさせる鉄製の商標や看板がせり出しています。[あぁ、これテレビで見たよ。名物なんだろな]1996年に「ザルツブルク市街の歴史地区」として世界遺産に登録されています。