午後からは対岸の新市街へ。あすの出発に備えて食料の買い出しもするつもりです。
まず向かったのは17世紀に建てられた〈ミラベル宮殿〉、広い庭園が見事です。なんとこの宮殿、当時の大司教が愛人のために建てたそうです。ゲスの勘ぐりが始まりました。[お城といい、レジデンスに愛人のための宮殿だろッ。歴代の大司教は岩塩でひと儲けしてたんじゃないの?]
サウンド・オブ・ミュージックで〈ドレミの歌〉のシーンが撮影されたのがこの宮殿の庭園です。[うん、確かにここだ]城山の尼僧院より宮殿のシーンのほうが、私の記憶に残っているようです。
買い出しをすますと、ザルツァッハ川をはさんで城山と対峙する Kapuzinerberg(カプツィーナベルク丘)へ向かいました。実はガイドブックに「ホーエンザルツブルク城の写真を撮るなら、カプツィーナベルク丘からが一番、昼間は逆光だから朝夕がよい」と書いてあったのです。まあ、曇り空ゆえ逆光の心配はいりませんでしたが。
路地に面した急な石段を上り、さらに進むと視界が開けました。古びた石垣の先にザルツブルクの旧市街とホーエンザルツブルク城が見えています。ガイドブックにもベストポジションとあります。
あたりに誰もいないのをいいことに(?)、丘に登る前に買い込んだ冷たい缶ビールを開けました。少々汗ばんだ体に最高の喉ごしです。[ウッヒーッ。うまい !!」
買い出しの食料品と目の前のホーエンザルツブルク城が酒のツマミです。2本目の缶ビールを飲み終え、次にワインの栓を開けようとしたときです。[あれッ、降ってきた?]
朝からずっと我慢していた曇り空からパラパラと雨が落ちてきました。[やべッ、帰るぞ]
橋を渡れば10分ほどでユースホステルに戻れます。もときた道をワインのビンと食料品を手に駆け出しました。