リーコンの町からチューリッヒまでは30キロ足らずですが、寝不足の私は途中で昼寝してしまいました。深酒に加えて寝たのが明け方とあれば無理もないことです。
チューリッヒは人口40万弱、スイス最大の都市です。古くから交通の要衝として栄え、商工業の中心でした。今ではスイス中央銀行を始め世界中の金融機関が集まりヨーロッパ有数の金融都市として知られています。
リーコンからの道はチューリッヒの北部から街の中心部へと続いていました。まずはスイス観光の資料をもらうためにツーリスト・インフォメーションへ。時刻はとうに昼を過ぎていますが、地図を頼りに少し街中をブラついてみました。
チューリッヒ湖の北端から流れ出るリマト川の両岸が街の中心地、旧市街のようです。何となく街の雰囲気がつかめたところで、ブルーノ宅へ「これから向かいます」と電話を入れました。
アドレスと一緒に簡単な家までの地図をもらっていました。街の中心から西へ3-4キロほど行ったところにブルーノ宅はあります。日曜日はお店が開かないと聞きましたが、そこは都会のチューリッヒ、チラホラと開いているお店もあります。
やがて辺りは緑に囲まれた住宅街へと変化し、ほどなくしてブルーノ宅へ到着しました。
「こんにちは。お言葉に甘えて厄介になります。お願いします」
「ようこそ。挨拶はその辺にして、どうぞ中へ」
ブルーノとKさん二人で出迎えてくれたのですが、ちょっと堅苦しい日本語での挨拶になってしまいました。入口の奥に自転車を置くと部屋に通されました。
「もう少し早くと思ったのですが、何しろ昨日はあれから3時ごろまで飲んでましたから、出発したのが昼近くになってしまって。しかも途中で昼寝をしちゃいました」
「えッ、昼寝ですか? じゃ、チューリッヒに着いたのも遅かったんじゃないですか」
「ええ。でもインフォメーションに寄って資料だけはもらってきました」
「だったら、明日ゆっくりチューリッヒ観光して、もう一泊したら」
「そうですよ。ゆっくりしたらいいですよ。まずはシャワー浴びてください」
ブルーノの提案でもう一泊させてもらうことに。ブルーノ夫妻の日常会話はどうやらドイツ語と英語のようです。時々、日本語も混じっていました。
シャワーのあとの夕食は二人の馴れそめ、私の自転車旅行の面白話と楽しい時間が過ぎていきました。
これはチューリッヒのインフォメーションでもらったパノラマ地図です(反対面は普通の地図になってます)。面白いので載せました。ルート上のアップダウンや峠など、このパノラマを参考にしていました。観光立国でもあるスイス、説明文はスペイン語が一つ増え6ヵ国語になっています。
手前がドイツ、上がイタリアですから南北が逆になっています。スイスの北部、アルプスとライン川の間の地域は平野部といえないまでも、高い山がないのがわかります。白い部分は氷河と万年雪ですが、温暖化の影響で今はだいぶ減っているのではないでしょうか。