登山電車が上るにつれて少しずつ雲が切れ、薄日が差すようになってきました。途中四つの駅があるのですが、四つ目の駅を過ぎたあたりで乗客が色めき立ってきました。上空が急に晴れ、視界が開けると右側の車窓越しにイタリアとの国境ペンネラ・アルプスの山々が浮かび上がってきたのです。
私はもちろん右側の席に座っていました。「上りは右側が見晴らしがいいよ」ユースホステルの同室のドイツ人が教えてくれました。[おおーッ、晴れてきた。受付のオジさんの言ったとおりだ]ゴルナーグラート駅を降りると空は完全に青く晴れ渡っていました。
写真は展望台からの光景です。左端の頂は Castor(キャスター 4,226m)、その隣は Pollux(ポラックス 4,091m)、中央が Breithorn(ブライトホルン 4,164m)です。
この写真の左に Monte Rosa(モンテ・ローザ)、右に Matterhorn(マッターホルン)が連なっています。
ブライトホルンは4,000mを越えるアルプスの山の中で最も登りやすい山として知られています。右端の写真が切れた辺りにロープウェイとケーブルカーを乗り継いで上がれるクライン・マッターホルン(3,820m)があり、そこから日帰り登山が可能になっています。
展望台から残雪の上をスニーカーで歩けるところまで上って氷河に近づいてみました。
写真は真ん中の氷河をはさんで左側にモンテ・ローザ(4,634m 正確には山塊)、右に見えるのが Lyskamm(リスカム 4,527m)です。
ゴルナーグラート駅には一軒のホテルがあります。周辺の光景を堪能したあと、冷やかしに覗いてみました。宿泊料金は日本円で、ダブル2食付き約8,500~14,000円、朝食のみ 約7,000~11,500円。バスルームは共同になりますが、山の中のホテルにしては安くないですか? もちろん今はこんな料金では泊まれません。
ゴルナーグラートからマッターホルンを眺めながらの下山になりました。下山のルート線上にマッターホルンがあります。目線は少しずつ上がりつつ段々近づいてくる、そんな感じです。一番マッターホルンに近づいた所で昼食の準備、サンドイッチを作りながら、雲の切れるシャッターチャンスを待つことにしました。
サンドイッチの具材はチーズにソーセージそしてコーラ。[やっぱり山は冷えるね。コーラじゃなくて、バーナーでコーヒーを沸かした方がよかった]その時のセルフの写真です。マッターホルンの頭だけ見えています。
待つこと30分、ベストショットがこの写真です。あとで教えてもらったのですが、雪解けの池(?)に写り込む逆さマッターホルンがベストだそうです。