昼食が終わると、マッターホルンにお尻を向けたり相対したりと左右にカーブしながらの下山が始まりました。「ゆっくり下ると半日かかるよ。疲れたら途中で登山電車に乗ればいいさ」そう聞いていましたが、もちろん電車に乗る気はありません。
下山ルートはいくつかありますが、登山電車とマッターホルンが一緒の写真が撮りたくて鉄道に近いルートで下りることにしました。
登山鉄道は所々に複線の箇所があり、そこで上りと下りの電車が行き交っています。どうやら行ったり来たりしているのは2系統だけのようで、片方がツェルマット駅に到着すると、もう一方は山の上のゴルナーグラート駅に着くようです。そんなわけで下山途中に2度、登山電車をやり過ごしていました。
往路では気がつきませんでしたが、途中駅の近くの建物はホテルでした。と言っても二軒だけでしたが。
岩場に咲く可憐に咲く高山植物をみつけました。柄にもなく花を見つけてはシャッターを押してみました。
下るにしたがって花の感じが変わってきたような気がします。
丘のさらに下に見えるのがツェルマット(Zermatt)です。写真の右奥が下り方面で、フィスプ(Visp)になります。
最後は登山鉄道から離れて深い針葉樹の森を抜けるハイキングコースを行くことにしました。思いのほか急斜面でしたが、下りきると、見覚えのある道です。町に出ることなく、直接ユースホステルへ戻ることにしました。下山にかかった時間は約5時間、心地よい疲れでした。
心地よい疲れとともに眠りに就きたい、そんな思いでしたが、そうはいきません。山で我慢したビールを味わいながら夕食をすませて部屋に戻ると、けさのメンバーと同室人は全員入れ替わっていました。奥のベッドでラジオを聴いているいる人がいるかと思えば、一方で大きなイビキ声、しまいには寝言まで。[まいったな。これじゃ寝られないよ]