マイン川はフランクフルトから40キロほど下流の Mainz(マインツ)でライン川と合流します。マインツから Bonn(ボン)そして Köln(ケルン)とライン下りが有名です。ライン下りの途中にはハイネの詩で知られる「ローレライ伝説」の舞台、ローレライの岩山があります。
♪「なじかわ知らねど 心わびて……
ドイツ民謡「ローレライ」です。中学生のころ音楽の授業で合唱した記憶があります。
西ドイツの首都ボンに寄るつもりでいましたが、その前にブルックヘッドの家へ向かうことにしました。ボンはフランクフルトの北西、ブルックヘッドの家は北東とほぼ逆方向になります。
ブルックヘッドからアドレスと一緒に大雑把な地図をもらっていました。「フランクフルトの近くだよ」そう聞いていましたが、実際に20万分の1の地図で探すととても1日で行ける距離でありません。しかも山越えが2ヵ所あります。
Esch(enburg)-Simmersbach、エッシェンブルク・ジンマースバッハがブルックヘッドが住む町の名前です。後で彼からエッシェンブルクは付近の山の名前、ジンマースバッハは町を流れる川の名前と聞きました。
西ドイツは州で構成される連邦国家です。各州ごとに州法があり、独立性が強いのが特徴です。州はそれぞれいくつかの行政区に分けられ、その下に郡そして町、最後に町を構成するコミュニティ(地区)となっています。
エッシェンブルク・ジンマースバッハは西ドイツのほぼ中央、ヘッセン州にあります。フランクフルトもヘッセン州ですが独立市という特別な位置付けです。
地図をよく見るとエッシェンブルクという町の周辺に Esch-……(何とか)という表記の集落が6つあります。ジンマースバッハもその中の一つのコミュニティです。
フランクフルトから地方道、アップダウンを繰り返す森の中の走行になりました。
[やっぱいいなぁ、この感じ。どうせ今夜までには着かないんだからノンビリ行こう]道路脇に「Naturpark Hochtaunus」どうやら自然公園の一部を走っているようです。
下りがしばらく続き、午後から再びアップダウン、この日2度目の山越えです。
途中、Braunfels(ブラウンフェルス)の町を通過する際に何気なく撮った丘の上のお城です。13世紀に建てられたブラウンフェルス城、19世紀後半まで改築が繰り返されています。何でもお城巡りツアーにも組み込まれるほど有名なお城だそうです。
この日は町まで下らずに川沿いで久々に野宿となりました。