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ぐるっとヨーロッパ: West Germany(24) ボランティアガイド

「実は私はボランティアでケルンの街のガイドをしているんです。よかったら案内しますよ。どこか行きたいところはありませんか?」

昨日一緒に走ったドイツ人サイクリストが「ケルンの見所は?」という私の質問に「ケルンは戦争でほとんど焼失して、残ったのはドームぐらいだよ。そこへ行ってみたら」と答えていました。

オジさんは私設の観光ガイドのようです。ならばとお願いしてみることに。

「じゃあ、ドームに案内してもらえますか?」
「はい。もちろんいいですよ。あと、少しだけ大きな声で話してもらえますか、補聴器を付けているんですが、聞こえづらい時があるもので」
「はい、わかりました。すいません、英語がうまくなくて。ユックリ話すことにします。その方が私も楽ですから」

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オジさんはケルン生まれの地元人、リタイアしてからボランティアのガイドを始めたそうです。船の時間待ちの観光客に「ガイドはどうかと」声をかけるそうで、私よりはるかに上手に英語を話していました。自身では触れていませんでしたが、薄い茶色のサングラスの奥の片目は白濁しており、どうやら見えていないようでした。

ドームと呼ばれるケルン大聖堂と桟橋は目と鼻の先。川沿いの緑地帯を抜ければ、すぐです。

「この辺まで下ると、ライン川も貨物船やコンテナ船が多いですね」
「ケルンから下流は工業地帯ですからね。デュッセルドルフではもっと多くの船が行き来してますよ。戦前から近くで採れる石炭による鉄鋼業などが盛んでしたから」
「それって、ルール炭田のことですか?」
「よく知ってますね。ルール(Ruhr)川沿いですよ」
「はい、ヨーロッパ有数の炭田だと学校で習いました。ただ、川の名前とは知りませんでした」
「戦後の西ドイツの復興に一番貢献したのがこの地域です。もっとも、今では石炭産業は減りつつありますけどね」

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