朝食を提供するユースホステルは少なくありません。それでも私はキッチンを借りて自炊していました。キッチンが使えない場合は、バーナーを持ち出して適当な場所で調理していたのです。ただ、食材がない場合は朝食を頼んでいました。ハンブルクもそのケースだったのでしょう。
ホステルの朝食は国によって多少違いますが、コーヒーかミルクまたはジュースにパン2切れ、そして果物。おおむねそんな感じで、味やボリュウムには〈?〉が付きます。パンにはバターの他に小さな容器に入ったジャムや肉のペーストが付くことがあります。アルミやビニールの蓋をはがして中身をスプーンでほじくりながらパンに塗ります。
この肉のペーストが豚肉の場合が多いのです。ヨーロッパのユースホステルはイスラム圏からの若者もよく利用しています。彼らは宗教上の理由で豚肉が食べることができません。そこで、私が日本人とわかると、
「これ食べてくれよ。豚はダメなんだ」
「オーケー。じゃ、ジャムと交換」
いつもこんな感じになります。だだ、これは相手が一人の場合です。彼らがグループの場合は交換するジャムがなくても人数分の豚ペーストが私の目の前に積み上がります。もちろんこれらのペーストは私にとって大事な食料「シュクラン」と、お礼を言ってありがたく頂戴します。
最近、日本の小学校でもアレルギーの子供たちの他にイスラムの子供たちのいわゆる「ハラル」の給食が考えられるようになってきました。いいことだと思います。