「う~ん、やっぱり可愛いな。いや、きれいだ」
時にお手製のサンドイッチを頬ばりながら、時にキオスクで買ったビールを片手に、私は公園のベンチや広場の石垣に腰掛けて観察していました。観察対象は道行く女性たちです。
西ドイツからユトランド半島、フュン島そしてシェラン島と進むにつれ、金髪の女性を多く目にするようになっていくのを感じていました。
不思議なほどに青い瞳とキラキラと輝く金色の髪。そうです、北欧を代表する金髪の美女。その美女たちをここコペンハーゲンで観察していました。
帰国後、酒の席や友人たちとの集まりでよく聞かれました。
「よう、H。美人が多いのはどこの国なんだ? お前、いろんな国に行ったからわかるだろう?」
「えッ、美人の多い国? その国その国に美人はいるけど。う~ん、しいて言えば北欧かな」
「スウェーデンとかノルウェーか?」
「フィンランドとデンマークも北欧だろ?」
「で、どこなんだよ?」
周りの人も知りたがっているようです。
「俺はフィンランドには行かなかったけど、北欧の金髪美人、あれは本当だと思う」
「ふ~ん、北欧の金髪美人ね」
「なかでもデンマークは可愛い娘が多かったな。『そんなに青い瞳でちゃんと見えてるんですか?』って聞きたいぐらいだった、お人形さんって感じ」
「そうか、じゃあ、お前の一番はデンマークなんだ」
「うん、デンマークというか北欧、スカンジナビアだな」
どうでしょう、ヨーロッパ各地を旅行した人なら、わかってもらえると思うんですけど。北欧には美人が多くないですか?