国境を越えるたびに英語を話す人を見つけては、その国の「挨拶」や「イエス・ノー」などをどう言うのか、特に大事なイエス・ノーは、真っ先に聞いていました。
教えてもらった言葉をカタカナでメモして、コミュニケーションを取るために使っていました。もっともそれも最初だけで、すぐ「英語でお願いします」となるのですが、相手も悪い気はしかなったと思っています。「挨拶ぐらいはその国の言葉で」。最低限の礼儀だと思っていました。
スカンジナビアの3国はもともと同じ北ゲルマン人です。言語もノルド語といって、よく似た言葉を話します。具体的に記してみます。
「はい、いいえ」はともに「ヤー、ネイ(ナイ)」。「ありがとう」は「タック」で同じです。
「おはよう」はデンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語の順に「グモーン」「グッモールン」「グモッロン」。
「こんにちは」は同じく「グデー」「グッダー」「グダーグ」とこれまたよく似ています。外国人の私にとっては同じような気さえします。
よく、スペイン人とポルトガル人が勝手に喋ってもそこそこ通じあっていると言われます。スカンジナビアの人たちも同じかも知れません。
若者と話していたせいか、あっという間にスウェーデン側のヘルシンボリへ着きました。デッキから自転車のある甲板に戻り、車に乗り込む若者に別れを告げてフェリーが接岸されるのを待ちます。
フェリー料金=約750円(自転車とも)。こうして8月15日(月)、チェックらしいチェックもなくスウェーデンに入国。
気になるのは若者が言ってた「デンマークに比べて酒税が高いからね」の言葉です。[いったいどのぐらいするんだ? ビールを1本買ってみるか]その前にまずは両替をしなくてはなりません。
いつもなら50ドルか100ドル両替するのですが、オスロまで600キロほど、国境はその手前、5日前後でノルウェーに入国となります。
[50ドルじゃなくても大丈夫だろう。とりあえず現金の20ドルを両替しとくか。足りなきゃまた両替すればいいし]私はバッグの奥から20ドル紙幣を取り出しました。ドル紙幣を4つの振り分けバッグに分けて忍ばせていたのです。