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ぐるっとヨーロッパ: Sweden(6) フリーセックス

本来のフリーセックスの意味を知ったのは社会人になってからです。自転車旅での海外への思いが強まっていく中で予備知識の一つとしてわかり得たことでした。

今でこそスウェーデン女性の就業率は80%超とヨーロッパのトップクラスの数字です。しかし、大戦前のスウェーデンには「女性は家庭を守るもの」という意識がありました。その背景には信心深いプロテスタントというお国柄があったようです。

1960年代後半から70年代にかけてスウェーデンでは女性解放運動が起こりました。男性と同じ権利や待遇を要求し始めたのです。仕事から家事、育児にわたるすべての分野です。つまり、フリーセックスとは「男女性別のない環境を」ということなのです。

成長経済のなか、女性の就業が順調に進み立場が確立されていくとともに新たなる欲求「セックス(これは性行為の意)も男女の差別をなくすべきだ」ということになっていきました。

もともとスウェーデンでは50年代から子供に対してごく普通に性教育をしてきました。ですから性に対する変なタブーを持ち合わせていません。女性も男性同様セックスの快楽を求めることが自然だと考えたのです。時を同じくして60年代から欧米を中心に広まった経口避妊薬ピルもこれに一役かいました。

「セックスは男女の性別を問わず自己責任においてなされるべきだ」そんな社会風潮が進み、当然のように女性から男性を求めて声をかけることもあります。このような側面が極端に強調され「フリーセックス=自由な性行為」となったのです。日本のマスコミもこの辺りを面白おかしく伝えたのです。

もし私が以前のようにフリーセックスの妄想が膨らんだままだったら…… きっと何かを求めて(?)コペンハーゲンからまっすぐストックホルムへ向かったことでしょう。

女性の就業率が上がるにつれ、スウェーデンも他の国と同じく出生率が下がっていきました。時期的には80から90年代になります。政府の懸命な対策により2000年代になって、ようやく出生率が回復しました。少子化を叫ばれ続けて久しい日本も見習うべき点があるように思います。

もう一つ、私が社会人になりたての頃の話です。親戚のオジさんや仕事先の知人が北欧へ観光や出張で行くとなると、必ず頼まれるお土産に「北欧ポルノ」がありました。運よく羽田空港の税関で没収を免れたポルノ雑誌は、ありがたくも大勢の男性に回し読みされることになります。

しまいにはボロボロになってしまうのですが、そうなる前に何とか複製できないかと町の印刷所にお願いする強者(?)もいました。何でも法に触れるとかで断られていましたが、複製したい気持ちは私にもわかります。北欧ポルノには日本のビニ本(懐かしい)とは違う何かがありましたから。

その北欧ポルノについては後日談があります。雑誌のモデルは当然現地北欧女性だと私は思っていました。しかし10年ほど前「モデルの多くは東欧の女性で中にはアメリカ人女性もいる」と知人が教えてくれました。年を重ねるごとに様々なことに対して「さもありなん」と思うのですが、その時ばかりはちょっとショックでした。

スウェーデン初日、ヘルシンボリからスカンジナビア半島をオスロ目指して北上します。この日は森の中で野宿となりました。

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