これは観光客が必ず訪れる場所の一つ「ヴィーゲラン彫刻公園(Vigelandsparken)」の絵ハガキです。
ここ数日の間にほとんどの市内観光を終えたつもりでしたが、まだこの公園へは行っていませんでした。大使館へ行く前に寄ってみることにしました。場所は市内の北西にあるフログネル公園に隣になります。
ヴィーゲランは人名で、あの「叫び」のムンクとほぼ同世代の彫刻家です。彼は図書館建設のために自分のアトリエを立ち退くことになるのですが、その際オスロ市よりフログネル公園脇の展覧会場跡地を新たなアトリエとして提供をされます。と、同時に彼は作品を全てオスロ市に無償提供する約束をしたのです。
彼自身で設計した広い公園の敷地内に150体以上の大理石像とブロンズ像が展示されています。フログネル公園とヴィーゲラン公園は一体化しているというか二つの名前を持つ一つの公園といった感じです。展示作品は全て裸像です。コミカルな単身像もありますが、人の集まる群像に迫力を感じました。
ヴィーゲランはノーベル平和賞のメダルのデザインをしたことでも知られています。ノーベル賞5部門のうち平和賞だけオスロで授賞式が行われます。その平和賞のメダルの裏面の三位一体像をデザインしたのがヴィーゲランです。表面はノーベルの横顔で五つとも同じデザインです。ノーベル賞の時期になるとテレビのニュースなどで目にします。
この写真はこの公園のシンボル、丘の上に立つ「モノリッテン(Monolitten=一枚岩)」です。120人ほどの人物が彫られた高さ10数mの大理石像です。ヴィーゲランの創った実物大の石膏像をもとに、三人の石工によって彫り始められました。
十数年の年月をかけ1946年に完成したのですが、その直前にヴィーゲランは亡くなってしまいました。この一枚岩は私が通過した国境近くの街、ハルデンから切り出された重さ数百トンの大理石です。現在、公園内の彫刻像の数は200以上と当時よりだいぶ増えています。
絵ハガキをもう一枚。モノリッテンの丘から撮った公園の全景です。公園の先、尖塔が見えているのがウラニアンポリ教会。見えませんが、その教会の向こうに王宮、そしてオスロの街が広がっています。王宮前からメインストリート、カール・ヨハン通りが真っ直ぐ東駅まで伸びています。