ドルトレヒトから南へ30キロ Breda(ブレダー)の街を通過、さらに20キロほど走りベルギーとの国境へ到着しました。
9月25日(日)、ベルギー入国。1BFr(ベルギー・フラン)=約5円。
国境から国道1号線(ブレダー通り)を30キロほど Antwerp(アントワープ)の街へ到着。日没が迫る中、そのままユースホステルへ直行しました。1泊(朝食付き)220BFr=約1,100円。
フランダース(フランドル)地方を代表するアントワープは、北海へ注ぐスヘルデ川沿いに開けたヨーロッパ有数の港湾都市、首都ブリュッセルに次ぐベルギー第2の都市です。また植民地時代の名残として、いまだにダイヤモンドの街として世界に知られています。
アントワープという呼び名は英語です。現地では Antwerpen(アントウェルペン=オランダ語の方言フラマン語)と呼ばれ、街で交わされる会話はオランダ語です。私が入手したベルギーの地図にはアントウェルペンと一緒に (Anvers) とカッコ付きで小さくアンヴェール(フランス語の方言ワロン語)と地名が記載されています。
この日は朝から自転車でアントワープの街を散策、そのまま Brussel(ブリュッセル)へ向かうつもりで自転車に装備を付けたままです。
まずはスヘルデ川沿いの「ステーン城(Het Steen)」へ向かいました。
ステーンとは英語のストーン、つまり石のお城ということです。13世紀になってから木造から石のお城に改築されたそうです。お城の入口に続くスロープの手前に伝説の巨人ランゲ・ワッパーの像が大股を開いて待ち構えています。この巨人は昔話に出てくるお城の住人です。黒く小さく写っているのですが…。
城内へ入ると(入場無料)小さなお城だとわかります。川沿いの砦といった感じです。お城はその後、牢獄、倉庫、海洋博物館と用途が変わり、現在は子供用のイベント会場になっています。
次に向かったのはアントワープのシンボル「聖母大聖堂」です。アニメ好きの日本人ならアントワープの大聖堂と聞けば、イギリス人作家原作のアニメ「フランダースの犬」を思い浮かべると思います。物語の舞台はアントワープから南西へ数キロの村 Hoboken(ホーボーケン)です。
アニメの最終回、ネロ少年と愛犬パトラッシュがこの教会で昇天していくシーンはあまりにも有名です。泣きながらテレビを観ていた人も大勢いるはずです。
この写真の中央にあるのは聖母大聖堂の尖塔です。この大聖堂は170年以上の歳月をかけて14世紀半ばに完成したゴシック様式の教会です。高さ123mを誇る尖塔内の鐘楼は1999年に「フランドル地方とワロン地方の鐘楼群」として世界遺産に指定されています。
教会内にはバロック時代を代表する画家ルーベンスの傑作が展示されています。ネロ少年が見たかったのがその中の一つ、キリストの祭壇画です。
こちらは教会の横の「フルン広場」の様子です。広場の中央にはルーベンス像があり、多くの観光客が見上げていました。写真の中央にそのルーベンス像が小さく写っています。