朝飯を終えると北海を右手に眺めながら走り出しました。[夏には海水浴客で賑わうんだろうな]そんな砂浜が続いています。1時間ほど走りベルギー西端の街 De Panne(デ・パンネ)へ。海から離れるように道が大きくカーブすると続いて右折、すぐにフランスとの国境に着きました。
7月の初め、スイス一周の途中にジュネーブ経由で一度フランスに入国しています。モン・ブラン見たさにシャモニーを訪れたのです。従ってフランスは2度目ということになります。[あの時は言葉がダメで、何だか所持金でモメたんだよな]
当時のフランスは西側ヨーロッパにしては珍しく、入国時の審査をやっていたのです。
パスポートをチェックしなが係官がフランス語で何やら聞いてきました。
「すいません。英語でお願いします。フランス語がわかりませんので」
「所持金はいくらですか? 申告が必要な場合がありますので」
[おッ、英語で聞いてくれたよ]
「ベルギーの小銭だけです。もちろんフランも持っていません。ドルのトラベラーズ・チェックを持っていますので、これから両替するつもりです」
「トラベラーズ・チェックですね」
「トラベラーズ・チェックも申告しなくてはいけないんですか?」
「いや、トラベラーズ・チェックは関係ありません。いくら所持していてもかまいません」
今回は問題ありませんでした。これで入国審査は終了。9月29日(木)、2度目のフランス入国です。
この時の係官とのやり取りで前回フランス入国時にモメた謎が解けました。原因は私がよくわからないまま適当にトラベラーズ・チェックの金額を「五千ドル持ってる」と答えたからです。
現金ならば「申告してください」となるわけですが、なにぶん英語とフランス語、わかり合えないまましばらくモメたのです。結局ラチが明かずに係官は「もう、いい。行っていいから」そんな感じだったのです。
国境から30分ほど走り、Dunkerque(ダンケルク)の街に到着しました。