ポリタンクとボトルを手にガソリン・スタンドのスタッフに声をかけました。
「ボンジュール。ドゥル・シルブプレ」
「……??……」
何を言っているのかわかりませんが、指差す先に水道の蛇口があります。「Merci(メルシィ)」とお礼をひと言、水をもらいます。
水の心配はなくなりましたが野宿の場所が見つかりません。しばらくあちこちウロウロ、ならばと脇道にそれると[あれッ、こんな所にキャンプ場だ]思いがけなくキャンプ場に出ました。そういえばブリュッセルを出てから一度もシャワーを浴びていません。[よし、今日はキャンプ場だ]1泊、10Fr.(約300円)。冷たい水のシャワーも我慢。もちろん洗濯も済ませました。
キャンプ場の同じ利用者が「日曜日でもこの町のマルシェ(市場)は午前中開いているよ」と教えてくれました。一旦町に出て、マルシェで食料を調達してからの走行となりました。
当時のフランスは法律で日曜日に働くことは禁じられていました。罰金もあったそうです。私はフランスで3回の日曜日を経験しましたが、やはり飲食店を除くほとんどのお店が閉まっていました。
古くからの伝統でしょうか、マルシェだけは例外のようで日曜日でも開催されていました。その代わり月曜日に開催されることはなかったと思います。マルシェの開催は特定の曜日だけ、隔日、月曜日を除く連日など、色々な形がありました。
2015年、フランスでは経済活性化や失業対策の一つとして労使合意を条件に国内21地区の国際観光地に限り、日曜日のお店のオープンが認められました。フランス旅行帰りの人からも「日曜日でもオープンしているお店が増えてるみたいだよ」と聞きました。
これは北フランスの集落の写真です。典型的な田舎の風景です。
前日ウロウロしたこともあり、この日は早めに畑の真ん中でテントを張ることにしました。10月ともなれば暗くなるのも早く、6時を過ぎれば手帳にメモるのも少々厄介になります。
コンロにかけたコッヘルからご飯の炊き上がる音がし始めるのと同時に、遠く村外れの教会から鐘の音が聞こえてきました。[あれッ、もう7時だよ]
朝の温かいコーヒーが一番!! 翌朝の写真です。セルフタイマーで食後の一杯を撮りました。ヒマなようですね。