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ぐるっとヨーロッパ: France(10) ひとけのないオマハビーチ

目の前にボンヤリとひとけのない浜辺が続いていました。[ヘーッ、ここがオマハビーチか]今までにも増して視界が悪くなってきました。風とともに辺りが急にガスってきたのです。これ以上とどまっても変わりないだろうと浜辺を後にしました。

一般道に戻り、再び走り出すと道路脇に案内標識が見えてきました。「Cimetière Militaire Américain」[んッ? アメリカの墓地か]フランス語でも英語に似ているので標識の先にアメリカ軍墓地があるのがわかります。
[観光気分で行く所じゃないな]そう思った私は標識を横目にそのまま走り過ぎました。

DSC_0398この写真はオマハビーチではありませんがノルマンディーの浜辺です。ノルマンディーはこんな感じの海岸線が続いています。この日も前日に続き浜辺にテントを張り、波の音を子守唄がわりに寝ることにしました。

日が変わり翌日、私は海外で2度目の誕生日を迎えました。昨年の誕生日はちょうどニューヨークへ到着した日で、宿泊したマンハッタンの Y.M.C.A.ホテルから自ら東京へ電話をかけていましたが今回はやめました。というのも10日ほど前にオランダから「餞別のお礼の土産をまとめて家へ送ったから」と電話したばかりでした。

走行中、後輪から異音が[あれッ、やったな]スポークが折れたようです。案の定、いつものように荷重がかかるフリー側です。

私の携行している15センチ長のモンキースパナでフリー抜きが回せたのは最初だけでした。今ではフリーのくい込みがきつくて回せなくなっていました。大きなスパナを借りなければいけません。取りあえず針金でスポークを固定して走り出すと、幸いにもすぐに街道沿いの自転車屋がみつかりました。

私はフリー抜きを手に店内へ「ボンジュール」と挨拶したもののフランス語で「スパナ」「借りる」がわかりません。[何て言えばいいんだ?」フリー抜きを回すジェスチャーをしながら店主に

「スパナ? レンチ? シルブプレ」
「……??……。オーケー?」

やはり借りたい意思は通じなかったようで、しばらくして戻った店主の手にはビニール袋に入った真新しい工具がありました。どうやら借りたいでなく買いたいと思われたようです。フリー抜きをを見て専用工具となる23ミリのレンチを持ってきてくれたのです。

[27フランか。あればこの先困らないし買うか]ビニール袋にマジックでハッキリ27Fr.とありました。日本円にして約800円。FORGE とありますからおそらくアメリカ製です。
スパナを購入した私は店先のスペースを借りて早速スポークを交換しました。

DSC_0399これがその時に買ったバナジュウム鋼の20×23ミリのレンチです。最近では出番がほとんどありません。FORGE(フォージ)はアメリカの工具の現トップメーカー「MACツール」の前身だと思います。

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