10月12日(水)、ヨーロッパの旅の最後、パリへ到着しました。ベルサイユ宮殿の見学に時間をかけ過ぎたのと車の渋滞に巻き込まれたのとでパリに着くまでに思いのほか時間がかかってしまいました。
[宿だよな。とにかく宿を探さなくっちゃ]しばらくパリに滞在するつもりで台所付きの安宿と思い、インフォメーションを訪ねてみました。ところがそこで紹介しているのはホテルで、その手の宿は扱っていません。ならばと次に宿探しに向かったのは学生の街カルチェラタン、きっと安宿があるはずです。直接それらしい宿を数軒当たってみましたが全て満室、こちらもダメでした。
日もだいぶ落ち、自転車を押しながら夜のパリの街をうろつくのはよろしくありません。[しょうがない。アソコで頼んでみよう]実はパリ市内へ入る手前で駐車場というか車の溜まり場というか、多くのキャラバンが停まっているのを見ていたのです。[アソコなら何とかなる。ダメならどっかで野宿だ。街なかよりいいさ]そんなつもりで道を戻ることにしました。自転車を押して夜のパリの街をうろつくよりいいはずです。
戻ること30分ほど、キャラバンパークに到着。フランスの車だけでなくその他ヨーロッパのキャンピングカーも多く見られます。管理人はオバさん、仕事柄か英語がわかります。事情を説明すると
「一晩ならいいですよ。空いてるところどこでもいいから、テント張って」
「よかった。たすかります。いくらですか?」
「お金? 要らないです。それよりあなたブローニュのキャンプ場を知らないの?」
「えッ、ブローニュにキャンプ場があるんですか?!」
「ええ。大きなキャンプ場よ。目の前はセーヌ川よ」
「そうですか。明日の朝、早速行ってみます」
ブローニュとはあの有名な「ブローニュの森(Bois de Boulogne)」のことです。敷地内には競馬の「凱旋門賞」が開催されるロンシャン競馬場や全仏オープンでお馴染みのテニス場ローラン・ギャロスなど多くの施設があります。
オバさんがいうようにキャンプ場(Camping de Paris)はセーヌ川に面してブローニュの森の西端にありました。
[街の中心までそんなに遠くないし、ここでいいや]とりあえず5泊(70Fr.=約2,200円)お願いすることに。結果、その後も宿へと移ることなく、このキャンプ場が10日間以上にわたるパリ滞在のネグラとなりました。