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最後に寄り道: Hong Kong(2) 紛れ込んだ洗面道具

空港の案内所でなるべく安いホテルを紹介してもらうことに。空港からほど近い九龍(カオルーン)の旺角(モンコック)地区に手頃なホテルが見つかりました。税関事務所にホテル名を告げ、その足ですぐにホテルへと向かいます。[荷物を受け取ったら、もっと安い宿に移ってもいいしな]

時差ボケはありませんが、長旅の疲れなのかホテルのベッドに横になっているうちにいつの間にか寝てしまいました。電話の鳴る音で起こされると、すでに夕方近くになっています。

「お客様、荷物が届きました。フロントまで来ていただけますか?」
「わかりました。すぐ行きます」

フロント前に人が集まっています。[あれ?! あの人たちは……]欧米人の中年のご夫婦と若いカップル、あと一人東洋系の若い男性。今朝、空港の手荷物受取所にいた面々です。どうやら皆さん私と同じホテルを宿泊先に選んだようです。

「表に荷物が届いています」と促されるようにホテルの玄関先まで出てみると、ちょうど車から荷物を下ろしているところです。「バッゲージ・タグと引き換えに荷物を渡しますので確認してください」と、係員が下ろした荷物を簡易テーブルの上に並べています。

私はまずゴムロープでグルグル巻きにした四つの振り分けバッグをチェック。衣類、寝袋、テントそのほかフランスで食べずにいた缶詰など諸々、問題ないようです。ただし、その感じからして税関検査後に無理やり詰め込んだのがよくわかります。[検査はわかるけど、ちゃんと入れてくれよ]

次に肝心な輪行袋の自転車のチェックです。[ロスじゃ、いきなりハンドルが曲がってたもんなぁ]大丈夫、自転車も問題ありません。食塩500グラム入りのビニール袋もちゃんとあります。塩自体は値が張るものではありませんが、捨てるのもどうかと思い輪行袋に放り込んでいたのです。
[あれ? 何だこれ]ところが驚いたことに明らかに私のものではないバッグが一つ出てきました。

「このバッグ、私のではありませんけど?」
「あッ、それ私のです。私の洗面道具です」

声の主は中年ご夫婦の奥さんです。イギリス人のようです。彼女は誤解のないようにとわざわざバッグを開けて歯ブラシや歯みがき粉などを見せています。係員は黙ってそのようすを見ているだけでした。他人の荷物が紛れ込むなんて明らかに税関検査も慌てて行われたようです。

何とか荷物も無事に届き、まずはひと安心です。[そういえば腹が減ったよ]荷物を部屋に納めると、本場の中華料理を食べに九龍の街へ出ました。[朝とは人出が違うな。やっぱ香港だなぁ]
日曜日の朝の香港の街、それが空港からのバスの中で私が初めて見た香港でした。夕方の賑やかさ、やはり朝の香港の街とは一変していました。

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