明けましておめでとうございます。

これは昨日のテレビ中継の映像をスマホで撮ったものです。強風の中、空撮のために撮影スタッフはホバリングしながら太陽が上るのを待機していました。素晴らしい初日の出です。
いよいよこの自転車旅のブログも最後の台湾一周が始まります。もうしばらくお付き合い下さい。
台湾到着から4日目、台湾一周へ出発です。
日曜日だというのに道路は例によって車とバイクの洪水、数珠つなぎとはよく言ったもんです。[うへーッ。こりゃ、ひどいな]自転車乗りにとって最悪な排気ガスです。マスクをしてバイクにのっている人も大勢います。
当時、人口はすでに2,000万人超、台湾は九州より一回り小さいながらも人口は1,000万人ほど上回っています。しかも南北に九州の山地より険しい中央山脈が走り、平野部は西部と東部の一部に限られています。いかに人口が平野部に集中しているか想像できます。
台北からずっと幹線道路を南下したこともあり街並みが途切れることがありませんでした。[こりゃ、野宿の場所探しに苦労するな]この日は幹線道路を外れ、川べりのあぜ道に野宿。10月末でも6時ともなればあたりは暗くなります。
翌日も野宿の場所には苦労しました。やっと見つけた橋の下、私は侵入者なのか夜中に野犬に吠えたてられ起こされる始末です。そういえば野良犬が多く、街並みも決して綺麗とはいい難いのですが、出会う皆さん明るく親切に接してくれます。仕事も夜遅くまでノンビリ(?)マイペースでやっています。
台中(タイヂョン)、彰下(ヂャンホア)、嘉義(ジャーイー)と南下を続け北回帰線近くまで来ました。11月に入っても連日Tシャツ、短パンで走っています。周囲にはサトウキビ畑とバナナ畑が目立ちます。
台湾は1960年代に入り、工業生産が農業生産を上回りましたが、今でも国土の4分の1以上が耕地というように農業も盛んで米を始め多くの農産品を輸出しています。
こんな感じで稲田が広がっています。
翌日から進路を東へ変え、ひたすら18号線を上り阿里山を目指します。走行距離60キロで標高差2,200mを上ります。
18号線は嘉義の街を抜けると、その先はずっとこんな山道になります。阿里山とは周辺の山々の総称で「阿里山森林遊楽区」として台湾有数の観光名所になっています。
この日は阿里山手前の集落で予定通りの野宿。遊楽区内での野宿は禁止されているだろうとの判断です。それでも標高は1,500mぐらいありそうです。お祭りなのでしょうか、村から太鼓の音が聞こえていましたが、久々の上りが体にこたえたとみえ、いつの間にか眠ってしまいました。
[うへーッ、寒いわ]標高が上がったせいか朝の寒さで目が覚めました。
阿里山は雲海が有名ですが、これは霧です。朝から霧の中をさらに上ります。
阿里山の名物「五奇(五大奇観)」の一つに「阿里山森林鉄道」があります。海抜30mの嘉義駅を始発として2,247mの沼平駅までの70キロちょいの登山鉄道です。日本統治時代の1914年、日本人の設計により10年近くの工事を経て、当初は台湾檜を搬出する林業用の蒸気機関として開通しました。その数年後に人も乗車できるようになります。
この森林鉄道は一回の乗車で熱帯林、亜熱帯林、温帯林と植生の変化を眺めることができます。普通の軌道より30センチ狭い線路幅を活かした小回りのループやスイッチバックを駆使してグングン上る姿に、台湾のみならず多くの鉄道ファンがいます。
私が上る道路脇にその線路が時々現れるのですが、運行本数が少ないのか並走することはありませんでした。「五奇」の残る四つは日の出、雲海、夕霞、神木をいいます。
