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四国[3]: 金刀比羅宮、瀬戸大橋、小豆島へ

四国から先は高松からフェリーで中国地方で唯一立ち寄らなかった岡山県へ向かうつもりです。鳴門から高松までは国道11号線で60キロほどと近いのですが、その前に高松より西に位置する「金刀比羅宮」と「瀬戸大橋」へ寄るつもりです。ということで吉野川沿いをさかのぼり、峠を越えて香川県に入ります。

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写真は鳴門市内にある四国霊場八十八ヶ所一番寺「霊山寺(りょうぜんじ)」です。
四国といえば阿波から土佐、伊予、そして讃岐と弘法大師、空海にゆかりのあるお寺88ヶ所を巡る「四国巡礼=お遍路さん」が知られています。もともとはお坊さんの修行の道程でしたが、江戸時代になると庶民の間にも広まっていきました。お遍路さんには作法やしきたりがありますが、今では順路や期間を問わなくなったそうです。流行りの「パワースポット」や「御朱印集め」で最近ちょっとしたブームだとか。

県道12号線から国道192号線へ、徳島本線と並走します。3つの集落でこの日の野営地を探しましたが適当な場所が見つかりません。これ以上暗くなってはと、やっと見つけた広場の大きな木の下でテント泊。

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寒さと夜中に犬に吠えられ少々寝不足の中、テントから這い出すと昨日は気がつかなかった案内板を発見。そこには国の天然記念物、樹齢1,000年「加茂の大クス」とあります。どうやら天然記念物の大木の下で一晩過ごしたようです。そこで写真を一枚。高さ約25m、角度が悪くてそう見えませんが幅は50m近くあります。

阿波池田の街の手前で北へ進路を変えます。猪ノ鼻峠(標高550m)を越えて四国最後の香川県に入ります。峠から20キロ足らずで琴平町に到着、自転車を置いて金刀比羅宮へと続く長い参道を上ります。

♪「金比羅船々(ふねふね) 追風(おいて)に帆かけて シュラシュシュシュ まわれば四国は讃州(さんしゅう)……」
文字にすれば意味が分かりますが、初めて耳にした時には子供心に「何だか調子のいい歌だな」そんな感じでした。この歌は大阪から金比羅参りへ向かう船内で歌われ、後にお座敷歌として全国に広まったといわれています。
江戸時代は庶民の旅行は禁止されていましたが「伊勢詣で」や「金比羅参り」など神社仏閣を訪ねる旅は許されていました。信仰目的とはいえ「こんぴらふねふね」の歌には旅に対する嬉しい想いがリズムとともに表れているような気がします。

金刀比羅宮は象頭山(ぞうずさん)の中腹にあります。祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)と崇徳天皇、海の守り神とされています。本宮までの長い参道といっても石段を上ります。両側には土産物屋や休憩所を兼ねた飲食店。いくつか鳥居をくぐり、社(やしろ)を横目に上ります。所々、参道脇に「ここまで〇〇段、本宮まであと〇〇段」と記されているので否が応でも自分の現在地がわかります。多くの参拝者に混じって修学旅行生もいます。時々お年寄りや体の不自由な人を乗せたカゴが横になって石段を上り下りしています。
上り始めて30分、785段の石段を上り終えるとちょっとした広場、本宮までやって来ました。眼下に琴平町、遠く讃岐平野が広がっています。

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写真は本宮拝殿です。続いて右に神札授与所、左奥は本宮から三穂津姫社へと伸びる南渡殿です。三穂津姫は大物主神の后(きさき)です。
ここからさらに奥の院まで上ると合計1,368段。もう十分、このまま下ることにしました。

琴平町から丸亀、そして坂出の「瀬戸大橋」へ。この前年の1988年、現在ある3つの「本四架橋」のうち一番最初に完成しました。大小5つの島にわたって橋は架けられ総延長13キロほど。上が自動車道、下が鉄道の構造になっており岡山県倉敷との間をつないでいます。

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瀬戸内海に面した橋げた付近は「瀬戸大橋記念公園」になっており、モニュメントなどがあります。下の写真はその公園で撮ったものです。右は橋のメインケーブルの断面、自転車と比べると太さがわかります。この日は坂出と高松にまたがる小高い丘、五色台でテント泊、瀬戸大橋が見えています。

昨夜からの強風は追い風となって一時間ほどで高松へ到着。人口こそ松山にゆずるものの旧国鉄時代の宇高連絡船に代表されるように関西圏に近い高松は四国の玄関といえます。
まずはコインランドリーへ。洗濯している間に床屋でカット(1,500円)、道中お世話になった人へ絵ハガキとお礼の品(香川といえばうどんですが、何故かそば)を送ります。その後サウナにチェックインしてひとっ風呂、夜まで市内を散策、そして一杯。クリーン&リラックスの一日でした。

高松から岡山へ渡る前に、映画「二十四の瞳」の舞台となった小豆島を訪ねます。小豆島は香川県、つまり四国の最後は小豆島ということになります。
朝イチのフェリーに乗船。ピーク時から半減したといっても当時の小豆島の人口は3万人を超えており、フェリーの便数も少なくありません。高松港から小豆島の土庄(とのしょう)港まで約一時間。その間、いつの間にか椅子に座ったまま寝てしまいました。実は寝不足、その原因は昨夜のサウナの仮眠室です。カプセルホテルと違い、サウナは大広間で他人に混じって寝ることになります。イビキに歯ぎしり、はてはオナラと最悪だったのです。

小豆島は小説「二十四の瞳」の著者、壺井栄の故郷です。その小豆島で実際に映画のロケが行われました。戦前から戦中そして戦後にかけての先生と生徒のふれあいと生きざまを映しています。まずは舞台となった「岬の分教場」へ。

私の小学生時代、昭和30年代には夏休みになると学校の校庭にスクリーンを仕立てて映画大会を催していました。子供だけでなく隣近所大人も誘い合って映画を鑑賞しに行ったのです。まだ一般家庭にテレビが普及する前、映画は娯楽の中心だったのです。今ほど東京の夜も明るくなく、学校の校庭で十分に映画が楽しめました。もっとも映画に夢中なのは大人の方で未就学児童や低学年の生徒は映画に飽きると校庭にある鉄棒や砂場で遊んでいました。
私が覚えているのは「二十四の瞳」のほかに「ビルマの竪琴」、「ノンちゃん雲に乗る」、高学年になって観たのが「にあんちゃん」そんなところでしょうか。もちろんお堅い映画だけでなく、長編アニメ「白蛇伝」、怪獣映画「ゴジラ」なども記憶にあります。
「ビルマの竪琴」は1985年、「二十四の瞳」は1987年、ともにリメイクされています。

土庄港は小豆島の西、島の東に位置する岬の分教場まで海岸線を走ります。さすがに瀬戸内海に浮かぶ島、風が多少強くても日差しの暖かさは12月だというのを忘れさせてくれます。

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最初の写真は高松駅です。続いて瀬戸内海、ご覧のような空で風がありました。そして映画の舞台となった岬の分教場です。実際にここで映画のロケが行われました。
明治期に建てられた田浦尋常小学校です。その後、苗羽(のうま)小学校田浦分校となり、昭和40年代に閉校となりました。教室には戦前に使われていた机やオルガンなどが置かれており、隣接して教職員の宿舎があります。
分教場を後に島の南東端、大角ノ鼻(おおかどのはな)岬へ。播磨灘を隔てて淡路島と鳴門大橋が見えます。小豆島の暖かさにひかれたのか、もう一日島を巡ることにしました。

小豆島は日本のオリーブ発祥の地といわれており、島のアチコチにオリーブ畑が見られます。その他、江戸時代から続く醤油造りや手延べ素麺が有名です。

この日はまず工場を改装した「マルキン醤油記念館」で醤油造りの歴史と製造法を学び(?)ます。入場料200円、記念品として小さなマルキンデラックス醤油(100ml)がもらえました。
金刀比羅宮の境内の提灯やお守りには丸に金の字が記されているように金比羅さんの紋はマルキンです。マルキン醤油の社名は金比羅さんに由来しているのかも知れません。

小豆島の中央には星ヶ城山(標高817m)連山、そんな山並みを眺めながら島の北側を回ります。小海地区には約400年前、大阪城再建のために山から切り出されものの船積みされなかった大きな石がそのまま残されています。「大阪城築城残石」として香川県の史跡に指定されています。
島を一周すると瀬戸内海の島々を始め、淡路島、四国、本州、瀬戸大橋、そして何より行き交う船がよく見渡せます。小豆島は瀬戸内海のドマンナカです。

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この日はほとんど風がありませんでした。写真はそんなナイだ状態の瀬戸内海です。最後は映画「二十四の瞳」の先生と生徒をモデルにした「平和の群像」です。土庄港のそばの公園にあります。翌朝、岡山行きフェリーに乗ります。この日はその公園でテント泊。

次回、岡山から赤穂、姫路、神戸と走ります。

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