戦後、スポーツとして紹介された自転車のスタイルは、ランドナーによるツーリングが主流でした。ロードレーサーは競技志向の強い人たちのものという認識でした。求められるのは、ロードレーサー用の軽くて強いフレーム、一部のハンドメーカーがそれに応えていたという現実がありました。
1970年代になると、街中でもロードレーサーを見かけるようになりました。ときどき、メディアも海外のロードレースを紹介するようになり、私たちは派手なジャージにピッチリしたタイツ、頭にキャップとカスクというレーサーの格好に驚きました。しかし、本当に驚いたのは車輪の音とともに高速で駆け抜けていくレーサーたちの迫力でした。
ロードレーサーのことをほとんど知らない私がケルビムを選択した理由は、まず、ショップで実物を見て「イイなぁ」と感じ、次に「新しい感覚で日本人の体にあうフレーム作り」に気持ちが動かされ、最後に「マジかよ」と、思わずツッコミたくなった当時の広告のコピー「街道では控え目に走ってください。時速73キロで罰金をとられたサイクリストがいます」の三つです。
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