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異文化・北アフリカ: Morocco(19) 海外青年協力隊との出会い

男の子の後について歩くこと数分、二棟続きの平屋の前でYさんの名を大声で呼び始めました。すると中から20代後半とおぼしき青年が出てきました。

「こんにちは、Yさんですか?」
「はい。青年海外協力隊のYですが、どうしました?」
「ええ、実はアルジェリアの事務所を探して歩いていたら、この子が友達のYさんのところへ連れていくからというので、ついてきたんです」

「そうですか。アルジェリアの事務所ならこの隣です。この子は近所の顔見知りですよ」
「えっ、この建物ですか、W君、聞いた? これがアルジェリアの事務所だって。良かったな」
「ええ、この子についてきて正解でした」
「外じゃなんですから、中へ入りませんか」

まったくの偶然でアルジェリアの出先機関が見つかりました。Yさんは、男の子にひと言ふた言声をかけ、帰るよう伝えています。いたずらっ子の多いモロッコですが、どうやら最後にラッキーボーイに会ったようです。

Yさんが出してくれた貴重な日本茶をご馳走になりながら、私達二人の出合いからこれまでの自転車旅行、そしてビザのためにアルジェリアの出先機関を探していたことなどをひと通り話しました。するとYさんは、

「ウジダからアルジェリアへは徒歩と自転車では行けないかも知れません。国境近くにはアルジェリアの軍事施設があるので、バイク以上の車でスミヤカに走り抜けろということらしいです」
「そうですか。自転車はダメですか。W君、参ったな」

「そうですね。鉄道で行けっていうことですか。自転車を列車に乗せられればいいですけど」
「それと強制両替がアルジェリアのお金1,000ディナール分、約200~250$あります」
「えっ、強制両替ですか。〈入国してもいいから、お金払ってね〉ってヤツですね」

Yさんは続けて、

「明日は仕事が午後からなので、朝アルジェリアの事務所へ一緒に行って色々と聞いてみましょう。実は私も来月の1週間の休みにアルジェリアに行こうと思っているんです」
「あっ、そうなんですか」

「ここから350キロ南の Fuguig(フィギ)の町からアルジェリアへ入国すれば強制両替がないと聞いているんです」
「350キロ南のフィギですか」
「砂漠の町です」
「へぇ~、砂漠ですか」

どうやらYさんも強制両替は避けたいようです。

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