朝食を準備中のご夫婦に昨夜のお礼と出発の挨拶をしてフランクフルトに向け出発、昼前には到着しました。街の正式名はフランクフルト・アム・マイン。ライン川支流のマイン川沿いの街という意味です。
フランクフルトは、東西ベルリンを除くとハンブルク、ミュンヘン、ケルンに続く大都市です。ドイツ中央銀行本部があり、大戦後の西ドイツの金融・商業の中心地として、またヨーロッパのハブ空港として国際的な玄関口でもあります。
まずは中央駅のツーリスト・インフォメーションで観光資料と地図をもらいました。この日利用予定のキャンプ場は街から少々離れています。どうやら荷物を置いて再び戻ってくる、というわけにはいかないようです。私はそのまま、フランクフルトの街を散策することにしました。
地図を見ると、観光スポットの旧市街は南をマイン川、北・東・西の三方が庭園で囲まれているのがわかります。駅から東へ3本の道がのび、真ん中のカイザー通りはそのまま庭園の緑地帯を横切って旧市街へと続いています。
駅前にはルフトハンザ、日本航空、パンアメリカンの支店がありました。スイス航空の看板も見えています。道路を横切り、メインストリートのカイザー通りを進んで行きます。
[マクドナルドにウィンディーにキングバーガー、アメリカのバーガーチェーンだらけだな]左手のポルノシヨップが目に飛び込んできました。[あッ、この辺りなんだ。帰りに覗いてみよう]
「フランクフルト駅前はピンクゾーンになってるよ」と、リスボンで知り合った日本人露店商の連中から聞いていました。フランクフルトでぜひ寄ってみたいスポットでした。
駅から数百m、左にドイツ中央銀行の高層ビルを見ながら、緑地帯を横切ると旧市街に入りました。目指すは「ゲーテハウス」と呼ばれる文豪ゲーテが生まれ育った家ですが、その前にカイザー通りを右折して対岸のザクセンハウゼン地区に向かいました。
マイン川の南側、ザクセンハウゼンは多くのレストランやカフェそしてビアホールが並ぶフランクフルトの飲食街です。夜になると、ビールジョッキを片手に大合唱が始まる、と観光案内にありますが、まだ陽は高く、残念ながら人出がありません。
写真はザクセンハウゼン側から見た対岸の旧市街です。マイン川を遊覧船やコンテナ用ボートが往来しています。手前は、移動しない(?)船上レストランです。
川に架かっているのは「アイゼルナー・シュテグ(鉄の橋)」と呼ばれる歩行者専用の鉄橋です。もともとマイン川に橋は1本しかなく、困った市民が寄付を募り、1869年に建設されました。大戦で撤退するドイツ軍がこの鉄橋を破壊しましたが、1946年に再建されています。
この「アイゼルナー・シュテグ」ですが、最近フランクフルトの観光スポットとしてテレビによく登場するようになりました。恋人たちの愛を誓う数千といわれる南京錠が、橋の欄干にぶら下がるようになったからです。どうやら起源はイタリア映画のようですが、ひょっとしたら、またドイツ観光局がうまく PR したのかもしれません。
橋を渡って旧市街に戻ることにしました。もちろん、私がこの橋を渡った当時、南京錠は一つとしてありませんでした。[南京錠には恋人同士の名前のほかに日付が書かれ、古いもので2008年ということです]