ゲーテハウスを後に路地をそのまま進むとメインストリート、カイザー通りに出ます。
[そろそろ行ってみるか]キャンプ場に行く前に中央駅近くのピンクゾーンを覗くことにしました。
中央駅の2ブロック手前でカイザー通りを右折、1ブロックほど進むと、それらしい雰囲気になってきました。場所的には中央銀行の高層ビルと中央駅のあいだ辺りになります。
カイザー通りで見たのはポルノシヨップぐらいでしたが、ここはもっとディープでした。ストリップショーにピープショー、女性の裸体のイラストや写真、ネオンこそ点灯していませんが、派手な看板が並んでいます。それでも陽が高く、まだ明るいせいか人影もまばらです。
「コイツ、何しに来たんだ」時おりすれ違う人が怪訝そうに私を見て行きます。大きなバッグをぶら下げた自転車を何やら場違いなヤツが押し歩いているのですから、無理からねことです。酔っぱらいでしょうか、道端で寝ている人もいます。[営業してるのかな]ポツリポツリとネオンがついたお店もあります。
[あッエロス・センターだ、ここかぁ]エロス・センターについては、リスボンで会った日本人露店商から詳しく聞いていました。
フランクフルトには、いわゆる本番目的の娼館がいくつもあります。日本でいうアパートのような5階建てほどの建物ですが、入口にエロス・センターとかラブ・ハウスとかの看板があるので、すぐわかります。 もっとも看板がなくても何となく、それとわかるものです。
各フロアーにいくつかの部屋があってドアの前に女性(娼婦)が立っています。ドアが閉まっていれば、まさに本番中か女性が不在です。客は直接その女性とサービス内容と値段の交渉をします。
もちろん、客は気に入った相手を探して階段を行ったり来たりします。エレベーターを使えるのは従業員の娼婦だけですから、お年寄りには少々ハードかもしれません。
ところで、階段を行ったり来たりすれば同じように物色中のご同輩と何度もすれ違うでしょう。お互いちょっとバツが悪いかも、それでもウインクか親指を立てて軽いあいさつ程度したいものです。
肝心の本番の時間設定は30分以内と短く、料金は約3,000円ほどから。もちろんサービス内容によって料金も変わるそうです。(あくまで当時の数字です)
[休日にやかましいこの国でも、風俗は関係ないようだな、日曜日も営業するだろうな]夜になれば、派手なネオンとともに風俗街は息を吹き返すに違いありません。
街の北に位置するキャンプ場までは1時間ほどで到着しました。1泊約1,200円、西ドイツで私が利用したキャンプ場で一番高い料金でした。大都会フランクフルトですから、そんなものかもしれません。