初日の昨日は荷物が到着しないというトラブルもあり、晩飯を食べに街へ出ただけでした。今日から本格的に香港観光を始めますといいたいのですが…。
私はパリでキャセイ・パシフィックの成田までのオープンチケットを購入していました。目的地までの途中、寄航地であればいつどこで乗り降りしてもいいというヤツです。チケットは少々割高になりますが、私の頭の中に12月にひかえた父親の法要までに帰国すればいいという考えがあったのです。旅の最後ぐらい(?)ノンビリしよう。「最後に寄り道」してみるか、そんな感じです。
仕事仲間に台湾人のスタッフがいたこともあり、以前から台湾に対して親しみと興味を持っていました。そこで自転車旅の最後は台湾に寄るつもりでいました。一方、香港はというと[ロンドンの次が香港ならちょっと降りてみるか。イギリスの植民地だし]この程度で、これといって行きたいところはなかったのです。
[香港島に行ってみるかな]私の泊まった旺角にあるホテルは九龍を南北に走るメインストリート、ネイザン通りからちょっと入ったところにあります。
当時はまだ地下鉄がありません。車でなければ香港島へはフェリーを利用します。フェリー乗り場はネイザン通りの南端、尖沙咀(チムサーチュイ)にあります。
フェリー乗り場へとネイザン通りを歩いてブラブラ。立ち並ぶ高層ビル、行き交う人と車、月曜日のメインストリートは活気に溢れています。[あのホテル、歴史を感じるな]あちこちキョロキョロしながら歩くこと3キロ、フェリー乗り場に到着しました。
ビクトリア港の対岸に林立する高層ビル群が徐々に近づいてきました。フェリーに乗ること10数分、香港島の中環(セントラル)に到着しました。ホテルでもらった地図を頼りに島内を歩いてみます。
中環はその名の通り香港島の中心です。地上52階、高さ180m近いコンノート・センター(Connaught Center=現ジャーディン・ハウス)を始め、この地区には世界的な金融機関が集まっています。ちょっと山側に行くと香港政庁や総督官邸、日本総領事館も確認できます。
中環の東の湾仔(ワンチャイ)に香港警察、さらに東に行くと香港島最大の商業地区、銅鑼湾(トンローワン)です。当時、この地区には日本の大丸や松坂屋がありました。
香港島の観光の目玉はなんといってもビクトリア・ピーク、山の上から眺める香港の夜景「百万ドルの夜景」はあまりにも有名です。また、映画「慕情(Love is a Many Splendored Things)」の舞台、ロケ地として香港島南側のリゾート地、淺水灣(レパレスベイ)も知られています。原題と同名の主題歌は誰でも聞き覚えがあるはずです。私も映画「慕情」をテレビで放送されるたびに観ていました。とはいうもののそれらへ行くこともなく私はひたすらブラブラしていました。
[歩き疲れた。やっぱ自転車と違う]帰りはセントラルからではなくワンチャイのフェリー乗り場から九龍側へ戻ることにしました。